◎NATO加盟30カ国はスペインの首都マドリードでロシアと中国を念頭に置いた協議を進めている。
2022年4月24日/ロシア、首都モスクワの教会、ウラジーミル・プーチン大統領(Alexander Zemlianichenko/Pool/AP通信)

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は29日、NATOの東方拡大を「帝国主義的野心」と評し、スウェーデンとフィンランドにNATO軍が配備された場合、それ相応の対応を取ると警告した。

NATO加盟30カ国はスペインの首都マドリードでロシアと中国を念頭に置いた協議を進めている。

スウェーデンとフィンランドのNATO加盟申請は両国の加盟に反対を表明していたトルコが支持に回ったことで大きく前進した。

プーチン氏は中央アジアのトルクメニスタンでカスピ海諸国の指導者と会談した後、国営メディアの取材に応じ、「スウェーデンとフィンランド領内にNATO軍や新たな軍事インフラが配備されれば、ロシアはそれに応えなければならない」と警告した。

「ロシアの玄関前で行動を起こせば、何かしらの脅威が跳ね返ってくると相手も理解しなければなりません...」

またプーチン氏は「両国とロシアの関係は悪化するだろう」と強調した。「緊張が生じるでしょう。それは避けられません...」

プーチン氏はウクライナ中部クレメンチュクの商業施設がミサイル攻撃を受け少なくとも18人が死亡し、多くの行方不明者が出ていることについて、「ロシア軍は民間施設を攻撃しない」という以前の主張を繰り返した。

「いいですか。ロシア軍は民間施設を攻撃しません。何がどこにあるかすべて把握しているからです。ロシア軍は今回も軍事インフラを攻撃しました」

ウクライナ政府はロシア軍が買い物客でにぎわう商業施設を意図的に狙ったと非難している。

NATO首脳は29日、ロシアを「西側の安全保障に対する最大の脅威」と宣言した。またNATOはウクライナへの支援を継続すると表明し、ウクライナ軍の防衛任務を称賛した。

NATOのストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は記者会見で、「ウラジーミル・プーチンのウクライナに対する戦争は欧州の平和を打ち砕き、第二次世界大戦以来最大の安全保障上の危機を引き起こした」と述べた。

またストルテンベルグ氏はロシアの圧力を一蹴し、「NATOは強さと結束を持って対応する」とした。

バイデン(Joe Biden)米大統領はポーランドに常設の陸軍司令部とそれに付随する大隊を配備し、欧州全域に展開する陸海空軍部隊を拡大すると発表した。

米国のヘインズ(Avril Haines)国家情報長官は29日、ロシアはウクライナ全土を占領または併合するという当初の目標を達成できず、ひどくすり減っていると述べた。

2022年6月29日/スペイン、首都マドリード、左からトルコのエルドアン大統領、バイデン米大統領、ジョンソン英首相(Manu Fernandez/AP通信)
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