◎中止の理由は明らかにされていないが、プーチン氏は西側のメディアを「プロパガンダマシン」と呼び、批判している。
ロシア大統領府は12日、プーチン(Vladimir Putin)大統領の年末限定マラソン年次記者会見を行わないと明らかにした。
数時間におよび会見および質疑応答はプーチン氏の代名詞のひとつになった。
ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は声明で、「大統領は世界中の中立なメディアと話したいと思っている」と主張した。
中止の理由は明らかにされていないが、プーチン氏は西側のメディアを「プロパガンダマシン」と呼び、批判している。またロシア国内でもウクライナ侵攻に対する不満が高まっており、質問攻めから逃げたいと思ったのかもしれない。
ロシア軍はウクライナ南部ヘルソン市で屈辱的な敗北を喫し、撤退を余儀なくされた。
ペスコフ氏は年明けに記者会見を行う可能性があると示唆した。
またペスコフ氏は「プーチン大統領はメディアと話したいと思っている」と主張し、そのような場を定期的に設けてきたと述べた。
プーチン氏のマラソン会見にはロシアと外国の記者数十人が参加し、入念に調整された質問にプーチン氏がジェスチャーを交えて答え、昨年の質疑応答は4時間を超えた。
ロシアの記者は▽過疎地の道路を直すべきではないか▽地方の役人が仕事をさぼっているなどと言った質問をし、プーチン氏は世界情勢を踏まえつつ、根気よく答えてきた。
ロシアの独立系メディアは参加を許可されず、西側のメディアも質問を限定されるため、批評家はこの会見を「プーチン・トークショー」と呼んでいる。
一部の独立系ジャーナリストは出席を許可されてきたが、質問できるか否かはロシア政府次第である。
それでも、多くの政治家が会見を注視し、ロシアの方針とプーチン氏の考えを測ろうとしてきた。
ロシア大統領府は6月、毎年恒例の市民参加型テレビマラソン会見も延期した。
ロシアの憲法は年末までに必ず1回、議会で一般教書演説を行うよう義務付けている。ぺスコフ氏はこの日程について、「検討中」と述べるにとどめた。