◎プーチン大統領は会談後の記者会見で話し合いを「建設的」と呼び、3カ国は重要な問題を終結させる合意に達したと述べた。
2021年11月26日/ロシア、ソチの政府庁舎、左からウラジーミル・プーチン大統領、アルメニアのパシニャン首相、アゼルバイジャンのアリエフ大統領(Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)

11月26日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はアルメニアとアゼルバイジャンの首脳をソチに呼び出し、ナゴルノ・カラバフ紛争の和平協定と進行中の問題について話し合った

プーチン大統領は会談後の記者会見で話し合いを「建設的」と呼び、3カ国は重要な問題を終結させる合意に達したと述べた。

アルメニアのニコル・パシニャン首相とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領もプーチン大統領の肯定的な評価に賛同した。パシニャン首相は会談を「公正かつ開かれた本物の話し合い」、アリエフ大統領は「前向き」と呼んだ。

プーチン大統領は3ヵ国協議の前に個別に両首脳と会談し、進行中の問題について協議した。

アゼルバイジャンは昨年11月8日、ナゴルノ・カラバフ(アルツァフ共和国とも呼ばれている)の主要都市シュシャをアルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力から奪取した。その2日後、アルメニアはロシアが提案した和平協定を受け入れ、6,600人以上が死亡した6週間の紛争は終結した。

ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの領土と見なされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

ロシアは和平協定を監視するためにナゴルノ・カラバフに兵士約2,000人を派遣し、アゼルバイジャンの同盟国であるトルコも支援を提供している。

アゼルバイジャンは和平協定を「勝利」と祝ったが、一部のアルメニア人はそれを「敗北宣言」と呼び、パシニャン首相に辞任を求めた。しかし、アルメニア人の大多数はトルコの支援を受けるアゼルバイジャン軍に勝てる可能性はゼロに近いことを理解しており、今年の総選挙でパシニャン首相を支持した。

和平協定にはアゼルバイジャンとナゴルノ・カラバフ間にアルメニアを経由する新たな輸送回廊(道路と鉄道)を設置するという文言が含まれており、協定に反対する一部のアルメニア人を激怒させた。この回廊は両国の新たな国境として認識される可能性があり、アゼルバイジャンは地域の支配を確立できるが、アルメニア政府はさらに多くの領土を失うと懸念を表明している。

プーチン大統領は声明の中で、「3カ国は和平協定調印から1年の間により多くのことを成し遂げた」と語った。「昨年11月以来、大規模な戦闘は発生していません。紛争の影響で難民になった約53,000人の生活も保証されました。ロシアの平和維持軍はナゴルノ・カラバフの安全を確立したのです...」

パシニャン首相とアリエフ大統領はナゴルノ・カラバフ周辺の国境問題に対処する準備はできていると述べた。

しかし、パシニャン首相は、「国境付近とナゴルノ・カラバフの状況は安定しておらず、この1年間の衝突で両国の数十人が死亡した」と述べ、進行中の小規模な戦闘を「新たな危機」と呼んだ。「私たちはアゼルバイジャン軍の侵入に対応せざるを得ませんでした...」

またパシニャン首相は、「捕虜、人質、その他の問題は解決していない」と強調した。

先週発生した衝突ではアルメニア兵6人、アゼルバイジャン兵7人が死亡したと伝えられている。パシニャン首相は先週の声明で、「兵士32人が捕虜になった」と明らかにしていた。

一方、アリエフ大統領はプーチン大統領を称賛したうえで、「アゼルバイジャン政府は対立を終結させ、両国の領土を保全し、主権を認め、将来隣人として生きるために、アルメニアとの平和条約の締結に向けた取り組みを開始すると申し出ました」と述べた。「私たちはお互いを尊重し、隣人として穏やかに生きるべきです...」

アリエフ大統領は、昨年の戦闘開始以来、100人以上の捕虜を解放したと主張し、パシニャン首相をけん制した。

プーチン大統領は閉会の辞で、「私たちは年末までに両国の国境を確立するための協議を開始することに合意した」と述べ、会談の成果を強調した。「ナゴルノ・カラバフ、アルメニア、アゼルバイジャンを結ぶ新たな輸送回廊は人道問題を解決する平和の懸け橋になるでしょう。私たちは大きな進歩を遂げました」

2021年3月24日/ロシア、首都モスクワ、ウラジーミル・プーチン大統領(Alexei Druzhinin/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)
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