◎センザンコウは絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)で2016年から保護されている。
2023年2月2日/チェコのプラハ動物園、センザンコウの赤ちゃん(Petr David Josek/AP通信)

チェコのプラハ動物園は23日、絶滅の恐れのあるセンザンコウの赤ちゃんが順調に成長していると発表した。

センザンコウは絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)で2016年から保護されている。

プラハ動物園によると、欧州の動物園でセンザンコウの赤ちゃんが誕生したのは初めて。赤ちゃんは今月2日に生まれ、最初の数日で体重が減少したという。

同園は母親の母乳が足りず、体重が減少したと結論付け、台湾の専門家に相談。その後、猫の乳を使った人工授乳を行い、母親にも母乳を出やすくする処置を行ったところ、事態は好転した。

同園によると、赤ちゃんの名前はまだ決まっていないものの、職員はトウヒの球根に似ていることから「リトルコーン」と呼んでいるという。

園長は地元テレビ局の取材に対し、「最初のハードルを乗り越えたところです」と語った。

同園によると、赤ちゃんの出生時の体重はわずか135グラム。大人の体重は大きい個体になると150kgに達することもある。

センザンコウはアジアに4種、アフリカに4種生息している。

プラハ動物園は昨年、台湾からこの珍しい動物を譲り受けた。

動物保護団体「ワイルドエイド」によると、センザンコウは中国やベトナムで肉が珍味とされ、うろこ、骨、血液は伝統薬に用いられているという。

2019年には20万頭近くが密売されたと推定されている。

専門家によると、センザンコウは生息地に存在するエサを必要とし、湿度や温度の変化に敏感で、飼育下での繁殖は難しいという。

プラハは北京との姉妹都市協定を破棄し、2020年に台湾の首都台北と同様の協定を結んでいる。

その後、台湾当局は両都市の関係発展を記念してセンザンコウの「グオバオ(Guo Bao、オス)」と「ランホウタン(Run Hou Tang、メス)」をプラハに送った。

2023年2月2日/チェコのプラハ動物園、センザンコウの赤ちゃん(Petr David Josek/AP通信)
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