◎移民希望者は人身売買業者が手配した頼りないゴムボートや漁船に乗り込み、アフリカ北部などから地中海の島を目指して出航する。
2021年10月24日/バチカン市国、フランシスコ教皇(Andrew Medichini/AP通信)

10月24日、フランシスコ教皇は国境付近や海上で救助された移民希望者を危険な国に強制送還する慣行をやめるよう国際社会に呼びかけた。

教皇はヨーロッパで論争を巻き起こしている地中海の移民取り締まりを正さなければならないと述べた。「私は保護を求めているリビアの移民希望者、中東の難民、その他の人々への愛と親しみを表明します...」

イタリアのシチリア島周辺では、ここ数日の間に数百人の移民希望者が保護された。当局によると、その多くがリビアまたはトルコから出航したという。

教皇はサンピエトロ広場に集まった人々に、「子供を含む多くの移民希望者が非人道的な暴力にさらされていると述べ、国際社会に地中海で発生している移民問題に取り組むよう求めた。「リビアの拘留施設は真の強制収容所です。彼らを送り返さないでください」

国連の難民機関と人権団体は、リビア国内の難民収容施設を長い間非難してきた。施設の衛生状況は劣悪で、殴打、強姦、様々な拷問が横行していると伝えられている。

移民希望者は人身売買業者が手配した頼りないゴムボートや漁船に乗り込み、アフリカ北部などから地中海の島を目指して出航する。

教皇の祈りから数時間後、国際NGOの国境なき医師団は声明で、「慈善団体アラームフォンの救助船が地中海をさまよっていた人々を救助した」とツイートした。医師団によると、救助したゴムボートには71人が乗っていたという。

現地メディアによると、慈善団体アラームフォンの救助船はゴムボートの71人を含む救助した難民296人をマルタに送り届ける予定だったが、港のPCR検査で6人がコロナウイルスに感染していることが判明し、救助船内での待機を余儀なくされたという。

イタリアのシチリア島では、ドイツの慈善団体が運航する救助船に救われた難民406人に入港許可が与えられた。しかし、同じくシチリア島への入港を求めているスペインの慈善団体の船は4日間入港許可が下りるのを待っているという。この船は難民100人以上を救助した。

イタリア本土の海岸沿いの町ロッチェッラ・イオーニカには、ゴムボートに乗ったアフガニスタンの難民が到着した。ロッチェッラ・イオーニカの赤十字当局によると、トルコから出航したと思われる約700人が10月24日に海岸に到着したという。

イタリアとマルタ政府は難民の受け入れ手続きに苦労しており、その結果、海上で保護された難民たちは混雑した救助船内での待機を余儀なくされている。一部の人権団体は両政府の対応を批判し、船内ではなく港の施設で難民を一時的に保護するよう要求した。

また、イタリアが訓練したリビアの沿岸警備隊は、海上や海岸で保護した難民を国内の拘置所や収容所に収容したと批判されている。

近年、イタリアでは移民の受け入れに反対する極右政党の人気が高まっており、政府は不法移民を厳しく取り締まるよう求める圧力に直面している。

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