◎バチカン宮殿のマッテオ・ブルーニ報道官は記者団に対し、「二人の非公開会談は心のこもった穏やかな雰囲気の中で行われた」と述べた。
2021年6月28日/バチカン市国、フランシスコ教皇とアントニー・ブリンケン米国務長官(AP通信/バチカンメディア)

6月28日、フランシスコ教皇はアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官と会談し、米国民に対する愛情を表明した。

バチカン市国は声明で、「教皇とブリンケン国務長官は約40分間会談した」と述べた。

ブリンケン国務長官は会談後の記者会見で、「ローマカトリックの政治家への聖体拝領と中絶の権利を拒否するアメリカの一部の司教の活動について話し合ったか?」と質問され、「米国内の政治については掘り下げていない」と答えた。

バチカン宮殿のマッテオ・ブルーニ報道官は記者団に対し、「二人の非公開会談は心のこもった穏やかな雰囲気の中で行われた」と述べた。「教皇は2015年のアメリカ訪問を思い出し、改めて米国民に対する愛情を表明しました...」

より保守的なアメリカの司教の多くは、ローマカトリック教徒でありながら女性の妊娠中絶の権利を支持する政治家への聖体拝領に反対しており、より保守的な一部の共和党員はこの考えに賛同している。

バチカンは中絶を禁じている。敬虔なカトリック教徒であるジョー・バイデン大統領は、「個人的には中絶に反対するが、女性の中絶の権利を支持する」と述べている。

米国司教会議は今月初め、聖体拝領に関する取り決めを文書化すると発表した。フランシスコ教皇はこの発表の1カ月前、聖体拝領と中絶の問題を徹底的に協議し、分裂を最小限に抑えるよう促していた。

ブリンケン国務長官は米国司教会議の聖体拝領問題をめぐる論争について公の場でコメントしておらず、記者の質問を却下した。「私は教皇と穏やかに会談しました。会談の内容は非常に広範囲にわたりました...」

ネッド・プライス報道官は会談について、「ブリンケン国務長官は難民や移民を含む世界で最も恵まれない、最も脆弱な人々のニーズに取り組むというアメリカのコミットメントを教皇に保証しました」と述べた。

フランシスコ教皇は最貧国の難民や移民の扱いに強い懸念を示しており、特に裕福な主要先進国と国連に問題に対処するよう促している。

プライス報道官は、「国務長官は気候危機に対する教皇の長年のリーダーシップに謝意を表しました」と述べた。教皇は2013年の就任後すぐ、環境保護の重要性を強調し、回勅を発行した。

また、二人は中国の強制労働慣行、信教の自由の侵害、人権問題についても議論したという。中国はイスラム系少数民族のウイグル族を弾圧し、信教の自由を侵害し、香港や台湾の国民などへの多数の人権侵害で非難されている。

中国の問題については、バチカンのピエトロ・パロリン枢機卿およびポール・ギャラガー大司教とブリンケン国務長官との個別会談でも協議されたと伝えられている。

ブリンケン国務長官はシスティーナ礼拝堂散策ツアーにも参加し、ミケランジェロや他のルネッサンスの巨匠らによって描かれたフレスコ画などを見学した。

2021年6月28日/バチカン市国、アントニー・ブリンケン米国務長官とバチカンのパトリック・コネル米大使(AP通信/Andrew Harnik/Pool)
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