◎プーチン大統領は自国通貨ルーブルを支えるために「非友好国」に天然ガスのルーブル建てを要求している。
2022年5月2日/ポーランド、首都ワルシャワの大統領府、米国とポーランドの代表団(Marek Borawski/Office of the President of Poland)

ポーランド政府は2日、EUに対し、ロシアの石油・天然ガス部門への制裁を強化し、天然ガスのルーブル建てを要求するロシアの圧力に屈しないよう訴えた。

EUはロシア国営ガスプロム社がポーランドとブルガリアへのガス供給を停止すると発表したことを受け、閣僚級協議を招集した。EUを統括する欧州委員会はポーランドとブルガリアのエネルギー部門への支援を表明している。

両国は天然ガスのルーブル払いを拒否していた。

ポーランドの気候環境相は記者団に対し、「我々はロシアの原油とガスに対する即時制裁を求める」と語った。「石炭は禁輸が決まりました。次は原油、そしてガスです。最良の選択はこの2つに同様の制裁を科すことです」

欧州委員会は2月24日の開戦以来、ロシアの高官、オリガルヒ、銀行、企業、その他の組織や個人に制裁を科している。報道によると、委員会は石油の輸入制限を含む第6弾の制裁を準備しており、今週中に詳細を発表する可能性があるという。

制裁を発動するには加盟27カ国の承認が必要。協議は数日かかると見込まれている。

ガスプロム社は先週、ルーブル建てを拒否したとして、ポーランドとブルガリアへのガス供給を停止すると通知した。

プーチン大統領はルーブルを支えるために「非友好国」に天然ガスのルーブル建てを要求している。

ポーランドとブルガリアは他のEU諸国と同様、ルーブル建てを拒否している。ガスプロム社は5月20日に請求書を発行する予定。EU諸国はガス栓を閉められるかもしれないと警戒している。

両政府はロシアガスの供給が滞ったとして、消費者と産業界への供給は「当面の間」は保証されると報告した。

EUのエネルギー担当委員は声明で、「ガスプロム社が信頼できない供給者であることは明らかであり、EU加盟国は供給が途絶えた場合の計画を立てておかなければならない」と警告した。

EUは国内で消費する天然ガスの約40%をロシアから輸入している。しかし、ハンガリーやスロバキアなどの依存度はこれより高く、いきなり禁輸に踏み切ることは難しい。

原油の禁輸は段階的に実施する可能性が高いとされる。

EU最大の工業国であるドイツは、ロシア産原油を失ったとしても対処できると考えている。ハベック副首相は1日、国内で消費するロシア産原油の割合を戦前の35%から12%まで下げたと報告した。

ハベック氏は記者団に、「ドイツは原油の禁輸に反対しているわけではない。もちろん負担は重いが、その覚悟はある」と語った。「私たちはロシアに代わる供給国を見つけ、港の貯蔵施設やガスパイプラインを準備しています。準備を終えるにはあと数週間から数ヶ月かかるでしょう」

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