◎ベラルーシの管制官は当局からの指示を受け、旅客機のパイロットに爆弾が仕掛けられているとウソをつき、ミンスクの空港に強制着陸させた。
ベラルーシ、反政権派ジャーナリストのプロタセビッチ氏(中央)(AP通信)

ポーランドの検察当局が6日、3年前に発生したベラルーシ政府による旅客機迂回事件を主導したとして、ベラルーシの高官3人を起訴した。

ベラルーシ当局は2021年5月、ギリシャからリトアニアに向かっていた英ライアンエアー社の旅客機内に爆弾が仕掛けられているとウソをつき、首都ミンスクの空港に強制着陸させたうえで、搭乗していたベラルーシの反政権派ジャーナリストのプロタセビッチ(Roman Protasevich)氏とガールフレンドのサペガ(Sofia Sapega)氏を拉致した。

ポーランド検察はベラルーシの高官3人がこの事件を主導し、旅客機に乗っていた132人の権利を侵害したとして、被告人不在のまま起訴した。

ベラルーシの管制官は当局からの指示を受け、同旅客機のパイロットに爆弾が仕掛けられているとウソをつき、ミンスクに強制着陸させた。

ベラルーシ空軍はこの時、ミグ29戦闘機をスクランブル発進させ、旅客機をミンスクまで誘導した。

ポーランド検察は声明で、「ベラルーシの高官3人は国内にいないため、捜索令状を発行した」と述べた。また検察はEUの司法当局に3人の逮捕状を発行するよう要請した。

3人の氏名は明らかになっていないが、うち1人はベラルーシ国家保安委員会(KGB)の長官とみられる。

プロタセビッチ氏はメッセージアプリ「テレグラム」上の反体制派チャンネル「ネクスタ(Nexta)」の共同創設者であり、独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領を厳しく批判してきた。

プロタセビッチ氏とサペガ氏は実刑判決を受け服役したものの、昨年、大統領恩赦により釈放された。

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