◎今のところ、パリ大会をボイコットすると公式に表明した国はない。
フランス、パリのイダルゴ市長(Getty Images/AFP通信)

パリのイダルゴ(Anne Hidalgo)市長は7日、地元メディアのインタビューで、「ロシアがウクライナに対する戦争を続けるのであれば、ロシア代表団のパリ五輪参加を認めるべきではない」と述べた。

イダルゴ氏は以前、ロシア選手は中立の旗の下で大会に参加できると発言していたが、7日に放送されたラジオ局フランス・アンフォのインタビューでこの発言を撤回した。

イダルゴ氏は「最終決定権は国際オリンピック委員会(IOC)にある」と認めたうえで、「侵略戦争が続く限りは、ロシア代表の出場禁止を支持する」と表明した。

またイダルゴ氏は、「ウクライナに爆弾が降り注ぐ中、ロシア代表が何事もなかったかのようにパリ市内をパレードすることは不可能だ」と強調した。

ウクライナ政府はロシアおよびベラルーシ代表の大会出場が認められればボイコットすると言明し、同盟国にもボイコットを働きかけるとIOCに圧力をかけている。

今のところ、パリ大会をボイコットすると公式に表明した国はない。しかし、ポーランド、バルト諸国、デンマークはウクライナを支持し、ロシア・ベラルーシ代表の中立参加を検討するIOCに反発した。

イダルゴ氏はロシア選手の中立参加を「下品」と呼び、戦争が続く限り参加はあり得ないと述べる一方、プーチン(Vladimir Putin)大統領を支持しない反体制派を擁護した。

ロシアはIOCの検討表明を歓迎し、「ウクライナ侵攻を積極的に支援しているとみなされる選手を除外する」という条件を取り下げるよう要求している。

ロシア五輪委は「そのような条件は差別であり、五輪憲章に反する」と指摘している。

IOCはロシア・ベラルーシ選手の除外を支持してきたが、現在は「基本的人権に基づき、差別はできない」と主張している。

AP通信によると、パリ大会の組織委員会はイダルゴ氏の発言に関する質問を受け付けず、「政治的な決定に関するコメントはしない」と述べたという。

2023年1月16日/ウクライナ、東部ドニプロ、負傷者を救助する消防士たち(Pavel Petrov/SESU/AP通信)
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