◎中部ドニエプロペトロフスク州政府は19日、ロシア軍による大規模なミサイル攻撃があり、民間人少なくとも8人が死亡、25人以上が負傷し、重要インフラが被害を受けたと報告した。
ポーランド、首都ワルシャワの空港に配備された迎撃ミサイルシステム「パトリオット」(Michal Dyjuk/AP通信)

NATOのストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は19日、NATO加盟32カ国がウクライナに追加の防空システムを提供することで合意したと発表した。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は欧米諸国に対し、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」や他の高性能防空システムの供与を急ぐよう繰り返し要請している。

ストルテンベルグ氏はオンラインによる国防相特別会合の後、記者団に対し、「NATOは既存のシステムで加盟32カ国の防衛を確立しており、ウクライナに防空システムを供与できる余裕がある」と語った。

またストルテンベルグ氏は「ロシア空軍の戦力はウクライナをはるかに上回るが、我々が供与した、もしくはこれから供与する高度な迎撃システムはそれを防ぐことができる」と強調した。

ロシア軍は東部と南部の1000キロを超える前線でウクライナ軍と激戦を繰り広げており、ゆっくり前進しているものとみられる。

パトリオットを含む欧米の防空システムは歩兵のルートを切り開く戦闘機やミサイルにとって大きな脅威であり、それが不足すれば、歩兵はより前進しやすくなる。

ウクライナ政府は前線を維持するためには少なくとも7基のパトリオットが必要と訴えている。

ストルテンベルグ氏はNATO加盟国が保有している防空システムの詳細は機密情報であるとして明言を避けたが、加盟32カ国が近日中にパトリオットだけでなく、他の防空システムの供与を表明すると期待していると述べた。

ドイツはパトリオットを新たに1基供与すると表明している。

19日に閉幕したG7外相会合も共同声明でウクライナの防空システムが不足していると認め、必要な支援を提供するための準備を進めると表明した。

またG7は凍結したロシア資産約3000億ドルをウクライナ支援に活用する方法の検討を続けるとした。

一方、中部ドニエプロペトロフスク州政府は19日、ロシア軍による大規模なミサイル攻撃があり、民間人少なくとも8人が死亡、25人以上が負傷し、重要インフラが被害を受けたと報告した。

ロ軍による大規模ミサイル攻撃はこの1週間で2度目。北部チェルニヒウの住宅地に対する17日の攻撃では少なくとも18人が死亡、78人が負傷している。

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