◎この演習は「ステッドファスト・ヌーン」と名付けられた定期演習のひとつで、毎年約1週間行われている。
NATOの軍事演習(Getty Images/AFP通信)

NATOのストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は11日、核兵器の使用を想定した定期演習を予定通り実施すると発表した。

この演習は「ステッドファスト・ヌーン(Steadfast Noon)」と名付けられた定期演習のひとつで、毎年約1週間行われている。

核弾頭を搭載できる爆撃機も参加するが、実弾は使用しない。戦闘機、偵察機、給油機も参加する。

NATO事務所によると、来週から始まるこの演習には加盟30カ国のうち14カ国が参加する予定。演習は主にロシアから1000km以上離れた地域で行われる。

ストルテンベルグ氏はブリュッセルの記者団に、「ウクライナ侵攻を理由に定期演習を中止すれば、間違ったシグナルを送ることになる」と語った。

ストルテンベルグ氏は同盟国を守り抜くというNATOの意志は微塵も揺るがず、誤解を招くような決定はロシアの侵攻をエスカレートさせる可能性があると指摘した。「NATOの確固たる、強力な軍事力を示すことでエスカレーションを防ぐことができると確信しています」

西側の兵器で武装したウクライナ軍は同国の東部と南部でロシア軍を押し返している。

一方、ウクライナ4州を大急ぎで併合したプーチン(Vladimir Putin)大統領は、最大30万人の予備役を動員してウクライナ軍の反撃を抑えたい考えだ。

プーチン氏はロシアの利益が脅かされれば、核兵器の使用も辞さないと何度も示唆している。この脅しは、NATO加盟国にウクライナへの兵器供与を再考させるかもしれない。

NATOは組織としてはいかなる兵器も保有しておらず、核兵器は米国、イギリス、フランスの加盟3カ国の管理下に置かれている。この3カ国は13日に国防相会議を開く予定だ。

ストルテンベルグ氏はプーチン氏の「暴走」を危険で無謀と非難し、「NATOはロシアに対し、核兵器を何らかの形で使用すれば厳しい結果が伴うことも明確に伝えている」と強調した。

またストルテンベルグ氏はロシアの核戦力を注意深く監視しているとしたうえで、「現時点でロシアの態勢に変化は見られないが、警戒を続けている」と説明した。

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