NATO事務局長が米国の「二次関税」を称賛、ブラジル、中国、インドに警告

ルッテ氏はワシントンDC連邦議会で上院議員らと会談。この中でロシア産エネルギーを輸入しているブラジル、中国、インドに言及した。
トランプ米大統領(左)とNATOのルッテ事務総長(AP通信)

NATOのルッテ(Mark Rutte)事務総長は15日、ブラジル、中国、インドなどの国々がロシアとの取引を継続した場合、米国の二次制裁の対象となり、大打撃を受ける可能性があると警告した。

トランプ(Donald Trump)米大統領は前日、ルッテ氏との会談で、「ウクライナ戦争の停戦で合意が得られなければ、50日以内にロシアに非常に厳しい関税を課すと表明。「ロシアに二次関税を課すつもりであり、50日以内に結果が出なければ、関税率は100%になる」と述べた。

ルッテ氏はワシントンDC連邦議会で上院議員らと会談。この中でロシア産エネルギーを輸入しているブラジル、中国、インドに言及した。

ホワイトハウスはトランプ氏が言及した二次関税について、「ロシアと取引する第三国に適用される」と説明している。

ルッテ氏は記者団に対し、「この3カ国、中国やインドに住んでいる方、あるいはブラジルで事業をしている人はこの件についてよく検討したほうがいい」と語った。

またルッテ氏は3カ国に対し、「プーチン(Vladimir Putin)大統領に電話をかけて、和平交渉に真剣に取り組むよう伝えなさい」と述べた。

共和党のティリス(Thom Tillis)上院議員はトランプ氏の決定を称賛したが、50日間の猶予期間に懸念を表明。「プーチンに時間を与えれば、より多くのウクライナ領を征服し、その後の交渉を有利に進めようとするだろう」と述べた。

トランプ氏はウクライナ支援について、「NATO経由で最新鋭兵器を供与する」と表明。防空システム「パトリオット」のミサイルが含まれると明らかにした。

連邦議会は現在、ロシア産原油、天然ガス、ウランなどを購入する国からの輸入品に対して、最低500%の関税を課す制裁法案を審議している。

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