◎コソボ共和国は先月、セルビアのナンバープレートを付けた車両の入国を制限すると発表し、セルビア人の激しい反発を引き起こした。
2021年10月2日/コソボとセルビアの国境付近をパトロールするNATOの平和維持部隊(Getty Images/AFP通信)

10月2日、北大西洋条約機構(NATO)の平和維持部隊がコソボとセルビアの国境付近をパトロールした。

コソボ共和国は先月、セルビアのナンバープレートを付けた車両の入国を制限すると発表し、セルビア人の激しい反発を引き起こした。

その後、セルビアの当局者が2つの国境道路に設置されたトラックを強制撤去したため、米国、イタリア、ポーランドの兵士で構成される平和維持部隊のパトロール実施が決まった。

これにより国境付近に配備されたコソボの特別警察は撤退したが、セルビアのナンバープレートを付けた車両の入国は制限されたままである。

しかし、両国は西側諸国の懸念を受け、双方の車両のナンパ―プレート上にステッカーを貼りつけ入国を許可する協定に合意した。

コソボ政府は今回の措置について、「セルビアはかつて、コソボの運転手に厳しい制限を課していた」と述べた。セルビアの州のひとつだったコソボは1998年2月に勃発したコソボ紛争でセルビアおよびモンテネグロと衝突し、2008年2月に独立を勝ち取った。

両国の調停者であるEUのミロスラヴ・ライカク氏は今週、バルカン諸国の代表を説得し、次の14日間の国境警備をNATO軍に引き継がせた。

NATOは声明の中で、「平和維持部隊は国境付近をパトロールし、地域全体の治安強化に努める」と述べた。

コソボ軍(KFOR)は28カ国の兵士約4,000人で構成されており、NATOが運営している。国連安全保障理事会は1999年6月の決議1244でコソボを国連の管理下に置くことと、NATO主導のKFORの設立を承認した。

ほとんどの西側諸国はコソボの独立を認めているが、セルビアおよびその同盟国であるロシアと中国は認めていない。

コソボとセルビアの関係を正常化する交渉は2011年から始まり、これまでに30以上の合意が取り交わされ、2013年にはブリュッセル協定が締結されたが、これらの合意が十分に機能しているかどうかはほとんどチェックされていない。

1990年代、コソボ解放軍はユーゴスラビア軍とセルビア軍に対する攻撃を開始し、その後、NATOは安保理の反対を押し切ってセルビアを空爆した。

コソボ紛争に伴い、コソボ国内で生活していたセルビア人の大多数とその他の非アルバニア人の半数以上が国外に追放された。

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