ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2023年4月11日/ナゴルノカラバフに通じる道路、ロシア軍の兵士(Getty Images)

アゼルバイジャンのデモ隊は28日、アルメニアから係争地ナゴルノカラバフに通じる道路(通称ラチン回廊)で行っていた抗議封鎖を終了すると発表した。

デモ隊は4カ月に渡ってラチン回廊を封鎖。アゼル警察がそこに検問所を設置することに合意したため、デモを終了するとした。

ナゴルノカラバフはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

この地域で2020年に発生した紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。

両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルはナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。

ラチン回廊を封鎖したデモ隊はこの地域で生活するアルメニア人が違法採掘や生態系を破壊していると抗議していた。

回廊近くにはロシア軍の基地もあるが、取り締まりは行われず、デモ隊は4カ月ほど居座り、ナゴルノカラバフ行きの輸送トラックや車両を妨害した。

この結果、ナゴルノカラバフのアルメニア人居住区への食料供給は不安定となり、電気やガスが不足する事態に陥った。アルメニアはアゼル政府がこのデモを仕組んだと非難している。

デモ隊は28日にアゼル当局と協議し、ラチン回廊に検問所が設置されることになったと発表。抗議を中断するとした。

アゼル政府はアルメニアが回廊を使ってナゴルノカラバフに武器を密輸していると非難している。

アゼル政府は今週、アルメニアが停戦協定に違反したとして、回廊の起点に検問所を設置していた。

この周辺では散発的な戦闘が報告され、今月上旬には双方の兵士7人が死亡している。

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