◎ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2020年9月27日/ナゴルノ・カラバフ(Getty Images)

アルメニア政府は23日、係争地ナゴルノカラバフの境界付近で自軍の兵士1人がアゼルバイジャン軍の狙撃者に射殺されたと発表した。

しかし、アゼル政府はこの主張を否定し、アルメニア軍が先制攻撃を仕掛けたため、反撃せざるを得なかったと反論した。

アゼル政府は同日、ナゴルノカラバフに通じる道路(通称ラチン回廊)に検問所を設置したと発表。この地域をめぐる緊張を高めた。

アルメニアはロシアが仲介した和平協定がラチン回廊の自由な往来を保障していると非難した。

ナゴルノカラバフはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

この地域で2020年に発生した紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。

両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルはナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。

この地域に駐留するロシアの平和維持軍はラチン回廊の自由な往来を保障し、安全を確立する任務などに当たっている。

しかし、環境保護団体を名乗る活動家が昨年末にラチン回廊を占領し、交通妨害が始まった。それ以来、ナゴルノカラバフへの食料供給は不安定となり、電気やガスが不足する事態に陥った。アルメニアはアゼル政府がこのデモを仕組んだと非難している。

今月初めにラチン回廊近くで発生した戦闘では両軍の兵士少なくとも7人が死亡した。

アルメニア国防省は23日の声明で、アゼル軍の狙撃手が自分の兵士1人を射殺したと主張。アゼルはこれを否定し、アルメニア軍が先に発砲したため、反撃せざるを得なかったと反論した。

アゼル政府はアルメニア人がラチン回廊を利用して武器や弾薬をナゴルノカラバフに送り込んでいると非難している。

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