◎リトアニア政府は2021年半ばまでにベラルーシから移民数千人が流入したことを受け、対策に踏み切った。
2021年11月16日/ベラルーシ、ポーランド国境(Leonid Shcheglov/BelTA/AP通信)

リトアニア政府は6日、隣国ベラルーシが意図的にアフリカや中東の移民数千人を国境付近に送り込んでいると非難し、ベラルーシに1億2000万ユーロの賠償を求めると発表した。

EUは2021年、ギリシャからリトアニアに向かっていた英ライアンエアーの旅客機がベラルーシの首都ミンスクに強制着陸させられた事件を受け、ルカシェンコ政権に制裁を科した。

それ以降、ベラルーシからポーランドやリトアニアに渡って西欧の豊かな国に亡命を求める移民が急増。リトアニアはベラルーシ国境約680kmに有刺鉄線付きの高強度フェンスを建設した。

リトアニア外務省は6日、賠償を要求する外交文書をベラルーシ外務省に手渡したと発表した。

法務省は前日、「移民の人権を侵害するルカシェンコ政権のハイブリッド攻撃を改めて強く非難する」と声明を出していた。

リトアニア政府は2021年半ばまでにベラルーシから移民数千人が流入したことを受け、対策に踏み切った。

人権団体の調査によると、リトアニア政府は2021年半ば以降、移民約2万人の入国を拒否したという。

政府は2021年8月、刑法を改正し、国境警備隊に移民を取り締まる権限を与えた。

外務省は声明の中で、「賠償金1億2000万ユーロは移民対策、国境管理、フェンス建設など、ルカシェンコ政権の攻撃に対応するために計上させられた費用を補填するものである」と述べている。

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