◎第3次カラス内閣は今年4月に発足した。
エストニアのカヤ・カラス首相(Getty Images)

エストニアのカラス(Kaja Kallas)首相が夫のビジネスの関係で辞任圧力に直面している。

地元メディアによると、カラス氏の夫は昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻後もロシア企業との関係を維持していたという。

野党は25日、カラス氏に引退を勧告し、連立政権に参加する政党の一部議員もカラス氏に説明を求めた。

カラス氏は反ロシアの急先鋒であり、全てのEU加盟国および企業にロシアとの取引を停止するよう求めてきた。

カラス氏の夫は25日、ロシア企業と協力関係にあった運送会社の株式を売却すると発表した。また夫は同社の最高財務責任者(CFO)を辞任し、取締役からも退くとした。

野党はカラス氏に辞任を求め、中道右派の3党連立政権の一部議員も夫の活動についてさらなる回答を求めている。

カラス氏の夫は声明でこう述べている。「私たちは正しいことをし、正しい人々を助け、エストニアの優良企業を救ったと信じています...」

また夫はカラス氏がその事業活動を知らなかったと主張した。

この運送会社はロシアで営業していた企業と仕事を続けているようだ。

エストニアの国家安全保障局KAPOは25日、この運送会社がEUおよび同国の対ロシア制裁に違反していないことを確認した。

夫はこの運送会社が所有する持ち株会社にカラス氏が35万ユーロを投資したことについても言及。違法なことは何ひとつしていないと主張した。

カラス氏は46歳の弁護士。欧州議会の元議員であり、1994年に父親が設立した与党・改革党の議長に2018年に就任。2021年から首相を務めている。

第3次カラス内閣は今年4月に発足した。

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