◎メローニ氏はイタリアが右傾化するという西側諸国の懸念に対処すべく、ユダヤ人団体と会談したとみられる。
2022年11月22日/イタリア、首都ローマ、メローニ首相(Gregorio Borgia/AP通信)

イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相は23日、世界ユダヤ人会議(WJC)および国内のユダヤ人団体と会談し、ユダヤ人コミュニティはイタリアと欧州に欠かせない存在と述べた。

9月の議会選で勝利したメローニ氏率いる「イタリアの同胞」は2012年に創設され、独裁者ムッソリーニ(Benito Mussolini)のファシズムから生まれたイタリア社会運動(MSI)をルーツとする。

メローニ氏はイタリアが右傾化するという西側諸国の懸念に対処すべく、ユダヤ人団体と会談したとみられる。

首相府によると、メローニ氏と代表団はインターネットやSNSなどで蔓延する反ユダヤ主義と戦うために協力することで一致したという。

またメローニ氏は「イタリアと欧州にとって、ユダヤ人コミュニティが本質的に重要であることを強調した」としている。

イタリアの同胞はファシズムをルーツとするが、1990年代からそれと距離を置くようになり、小さな極右政党として活動を続けた。

議会選の期間中、左派政党は「メローニがイタリアを右傾化させ、民主主義を危機にさらす」と指摘してきたが、メローニ氏はファシズムと距離を置き、人種差別と民主主義の抑圧に反対すると有権者に約束した。

WJCは会談に関する声明を出していない。地元メディアによると、会談にはWJCの会長、イタリアのユダヤ人団体とローマのユダヤ人団体の代表らが出席したという。

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