◎イタリア南部の島々はアフリカ系移民のホットスポットであり、毎年数万人の移民がアフリカ北部から地中海に漕ぎ出す。
アルバニアのラマ首相(左)とイタリアのメローニ首相(Mauro Scrobogna/LaPresse/AP通信)

イタリア内務省は14日、先週アルバニアで運用を開始した2つの移民収容センターに最初の移民グループを移送すると発表した。

それによると、海軍はアフリカ北部・リビアを出港し、地中海で保護された16人(バングラ人10人、エジプト人6人)を乗せて南部ランペドゥーザ島を出発したという。

軍艦は16日早朝にアルバニアの港に到着する予定だ。

イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相は先週、アルバニアに2つの移民収容センターを開設した。ここでは亡命を希望する男性移民を処理する。

イタリア政府関係者によると、両センターは400人の不法移民を一度に処理でき、収容数は数週間後には880人にまで増える見込みだという。

女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。

イタリア南部の島々はアフリカ系移民のホットスポットであり、毎年数万人の移民がアフリカ北部から地中海に漕ぎ出す。

地中海は世界で最も多くの死者を出している亡命ルートのひとつだ。国際移住機関(IOM)によると、昨年は2500人以上の移民が死亡または行方不明となった。

EUは地中海の警備を強化しており、その結果、今年イタリアに到着した移民の数は23年比で61%減少している。

イタリア内務省によると、今年海路で同国に到着した移民は10月11日時点で5万2425人。昨年同時期は13万8947人であった。

メローニ氏とアルバニアのラマ(Edi Rama)首相は昨年11月に移民の受け入れに関する協定に署名。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で摘発した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。

アルバニアは収容した移民を精査し、本国に送還するかどうかを決める。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長はこの計画を承認しているが、人権団体は危険な前例になると非難している。

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