◎10月に就任したメローニ首相は国境警備を強化し、移民を取り締まり、援助団体の要請に厳しく対応するという姿勢を示している。
イタリア南部サレルノの港に11日、亡命希望者とみられる人々を乗せた救助船が停泊した。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」がチャーターした船に救助された248人は消防と警察に迎え入れられ、健康チェックを受けた。
地元当局の責任者は記者団に対し、「人々は安心し、満足している」と語った。
同日、ドイツの援助団体SOSヒューマニティが運営する救助船がイタリア南部バーリの港に到着し、移民261人が下船した。
同団体は声明で、「より近い港に停泊したいという要請は聞き入れられず、厳しい船旅を余儀なくされた」と語った。
イタリア政府は9日にも移民船を受け入れている。33人を乗せた船は南部ランペドゥーザ島への停泊を許可された。
10月に就任したメローニ(Giorgia Meloni)首相は国境警備を強化し、移民を取り締まり、援助団体の要請に厳しく対応するという姿勢を示している。
ピアンテドージ(Matteo Piantedosi)内相は政権発足当初、イタリアに入国できるのは弱い立場の移民だけで、残りは救助した船の旗国が引き取るという方針を示していたが、フランスの反発を招き、方針を軟化させた。
内務省報道官は今週末、「政府は海上で助けを求めている弱い立場の移民を見捨てず、人命救助の義務を果たしているだけだ」と主張した。
メローニ政権は「地中海で活動する援助団体は不法入国を奨励し、人身売買組織を支援している」と非難している。
援助団体はメローニ政権の主張を却下し、自分たちが活動するせいで移民の数が増えているというメローニ政権の主張を「ひどい言いがかり」と非難している。
北アフリカで活動する人身売買組織はリビアやチュニジアなどに亡命希望者を集め、頼りないゴムボートなどに乗せて出港させている。
援助団体は海上で救助された人々をできるだけ早く安全な最寄りの港に移送するよう各国政府に求めている。