◎エジプトは600万人以上の移民を受け入れており、その半数以上がスーダンと南スーダンの移民。
2021年11月14日/イタリア、南西部カラブリア州の港、沿岸警備隊に保護された移民(Alessandra Tarantino/AP通信)

ハンガリーの外相は23日、地中海沿岸地域から欧州に入ろうとする移民をうまく食い止めているエジプト政府の努力を称賛した。

シーヤールトー外相は訪問先のカイロで「エジプト政府の移民対策への資金提供を含む移民流入防止措置を強化するようEUに要請する」と述べた。

またシーヤールトー外相は6年前のシリア難民危機に言及し、「エジプト政府は当時、海上の取り締まりを強化し、不法移民の波が欧州に到達するのを防いだ」と述べ、エジプト政府の対応を称賛した。「ハンガリーはエジプト政府の対応を高く評価しています...」

EUを統括する欧州委員会がハンガリー政府の要請を承認するかどうかは不明である。

シーヤールトー外相は移民対策への資金提供について、「紛争状態にある近隣諸国に対する国境警備も強化するだろう」と述べた。エジプトは東経25度線を隔てて、リビアおよびスーダンの武装勢力と対峙している。

エジプトのシュクリ外相はハンガリーの提案を歓迎した。

国連の国際移住機関(IOM)によると、エジプトは600万人以上の移民を受け入れており、その半数以上がスーダンと南スーダンの移民だという。スーダンでは紛争が続いており、毎年数万人が国外に逃亡している。

移民にとって、エジプトは目的地兼避難所であり、最も近く、最も簡単に入国できる国である。またエジプトは、欧州への危険な地中海横断の通過点でもある。

しかし、エジプト政府はここ数年で国境警備を強化し、欧州の玄関口になることを防いでいる。

一部のEU加盟国は2015年のシリア難民危機以降、国境にコンクリート壁やカミソリワイヤー付きフェンスを設置し、ドローン監視システムを導入し、玄関口のひとつであるトルコやリビア政府と取引し、不法移民を遠ざけている。

ハンガリーの保守的なオルバーン・ヴィクトル首相は欧州委員会の移民政策にハッキリ反対しており、取り締まりのさらなる強化を求めている。

オルバーン首相は公式の場で、「移民は大陸のキリスト教文化に取って代わる脅威であり、不法移民はコロナウイルス変異株のような病気を持ち込む」と述べ、物議を醸した。

エジプトのアッ=シーシー大統領は先月、「エジプト政府は助けが必要な難民を国境でブロックしている」という人権団体の批判を却下した。

スポンサーリンク