◎今回のスイスサミットの議題にロシア軍の撤退や領土返還は含まれず、原子力の安全や食料安全保障など、3つの項目に焦点を当てる予定である。
2024年6月15日/スイス、中部ルツェルン、ゼレンスキー大統領(右)とハリス米副大統領(AP通信)

    米国のハリス(Kamala Harris)副大統領が15日、訪問先のスイスでウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領と会談し、今週締結した2国間安全保障協定の重要性を再確認した。

    ハリス氏は中部ルツェルンで開幕したウクライナ平和サミットに先立ち、ゼレンスキー氏と会談。ロシアの侵攻に直面するウクライナへのさらなる支援を約束した。

    ゼレンスキー氏はイタリアのG7首脳会議中にバイデン(Joe Biden)大統領と署名した2国間安全保障協定を改めて称賛し、「ウクライナのチームがその作業を開始した」と明らかにした。

    またゼレンスキー氏はロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領が提案した和平案を改めて拒絶し、「米国を含む西側の同盟国と共に、市民の命を守り、新たな外交の場を切り開くことができると確信している」と述べた。

    さらに、「スイスサミットの目的はウクライナが常に信じてきた外交である」と強調した。

    ハリス氏はロシア軍がウクライナ東部ハルキウ州で攻勢を強めていることに言及。「エネルギー・インフラを執拗に攻撃するなど、ロシアの攻撃性は増しているように見える」と非難した。

    またハリス氏はウクライナの主権と領土を守り、第二次世界大戦後に世界が作り上げた国家システムを維持することが重要である」と述べ、「力による現状変更は絶対に認めないし、許さない」と誓った。

    ハリス氏は新たなウクライナ支援として、国際開発庁(USAID)経由で15億ドルを供出し、インフラ復興などを支援すると表明した。

    ゼレンスキー氏はこのサミットについて、「世界が国連憲章を遵守していること、いかなる国も隣国に対して侵略戦争を仕掛けることはできないことを証明するものである」と述べた。

    またゼレンスキー氏は「核兵器で世界を脅したり、他国の子供を誘拐したり、食料・エネルギー・その他安全保障を脅かす権利を有する者は世界にひとりもいない」と述べた。

    今回のスイスサミットの議題にロシア軍の撤退や領土返還は含まれず、原子力の安全や食料安全保障など、3つの項目に焦点を当てる予定である。

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