◎93人を乗せたヨットは南部沖約75キロの地点で遭難し、救助を求めていた。
2020年/ギリシャ近海、亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)

ギリシャ南西部沖で移民93人が救助された。同国の沿岸警備隊が20日、明らかにした。

それによると、93人を乗せたヨットは南部沖約75キロの地点で遭難し、救助を求めていたという。行方不明者の報告はない。

沿岸警備隊は声明で、「93人のうち6人が付近を通りかかった別のヨットに乗せられて西部カラマタの港に移動し、そのうち女性1人が市内の病院に搬送された」と明らかにした。

残り87人は2隻のタンカーに救助され、沿岸警備隊の巡視艇と共にカラマタの別の港に向かった。

97人が救助された現場近くでは今年6月に数百人の死者・行方不明者を出した移民船沈没事故が発生している。

パキスタン人など700~750人もの移民を乗せた漁船は6月、カラマタ沖で沈没した。沿岸警備隊は104人を救助したものの、82人が死亡、500人以上が行方不明のままである。

この事故で生還した40人は先週、沿岸警備隊が沈没寸前まで必要な行動を起こさなかったとして、ギリシャ政府を提訴した。

沿岸警備隊は移民が度重なる救助要請を無視して航海を続けたと主張。しかし、生存者はこの主張に異議を唱え、「沿岸警備隊は沈没寸前まで見て見ぬふりをした」と反論している。

ギリシャは中東・アフリカ・アジアの紛争地から逃れた移民の目的地のひとつであり、年間数万人が海路または陸路で亡命を試みている。

北アフリカとトルコに近いギリシャおよびイタリアに亡命を希望する移民は増加傾向にあり、国連の統計によると、今年イタリア当局が海路で保護した移民は約15万人。ギリシャは約2万人となっている。

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