ギリシャ沿岸警備隊、クレタ島沖で移民数百人救助

ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
2025年7月6日/ギリシャ、南部クレタ島、沿岸警備隊が保護した移民(ロイター通信)

ギリシャの沿岸警備隊は6日、南部のクレタ島沖などで数百人の移民を救助したと明らかにした。

それによると、警備隊は4~6日にかけて移民を乗せた複数の船を拿捕したという。

警備隊は声明で、クレタ島沖で6日に430人を超える移民を乗せた船を発見したと述べた。

欧州国境沿岸警備機関(Frontex)も6日、ギリシャ南部沖で2隻の船を発見し、96人の移民を救助した。

警備隊はクレタ島の港に移民を移送。身元と国籍を確認している。

ギリシャ政府は先月、移民の流れを食い止めるため、アフリカ北部・リビア領海近くに2隻のフリゲート艦を派遣すると発表した。

また政府はリビアに対し、ギリシャおよびEUとより緊密に協力し、移民がリビアから船で渡航することを阻止するか、リビア領海を出る前に引き返させるよう要請した。

ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。

その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。

ギリシャ当局は中東の紛争が移民の急増をまねていると指摘。昨年拘束した移民は6万人を超え、23年比で50%近く増加した。最も多かったのはシリア人であった。

ギリシャ政府はこの海域のパトロールを強化。その結果、多くの人身売買組織がアフリカ北岸からギリシャ南部へ移民を輸送するルートを使うようになった。

ギリシャには過去数カ月、多くの移民がリビア北東部から海路で到着している。その多くが中東や北アフリカ出身である。

ギリシャのテレビ局は6日、クレタ島南部の海岸に到着する前に、数十人の移民がスピードボートから海に飛び込む様子を撮影した映像を公開した。

このボートは人身売買組織のものとみられ、沿岸警備隊が行方を追っている。

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