◎ギリシャは紛争地から逃れた中東・アフリカ・アジアの移民の目的地のひとつであり、年間数万人が船や陸路で亡命を試みている。
ギリシャへの亡命を希望する人々(Getty Images)

ギリシャの沿岸警備隊が沖合の無人島で移民52人を救助した。地元当局が8日、明らかにした。

それによると、民間船が南部のペロポネソス半島から遠く離れた無人島で移民を乗せた船を発見したという。

通報を受けた沿岸警備隊が現場に急行し52人を救助。アテネ南東の港に移送した。

エーゲ海東部のサモス島でも同日、沿岸警備隊が操舵不能となった木造船を発見し、移民19人を保護した。

さらに、沿岸警備隊は前日にもレスボス島沖を漂流していたボートから移民14人を救助している。

ギリシャは紛争地から逃れた中東・アフリカ・アジアの移民の目的地のひとつであり、年間数万人が船や陸路で亡命を試みている。

2015~16年のシリア難民危機の際は多くの移民がトルコ沿岸からエーゲ海東部の島に小舟で密入国したものの、海上パトロールが厳しくなったため、そのルートを使う移民は少なくなった。

その代わりにエーゲ海の中央・南部を横断し、ギリシャの南端を回ってイタリアの島(ランペドゥーサ島やシチリア島)に向かう密入国者が増えているようだ。

6月にはギリシャ西部カラマタ沖でパキスタン人など700~750人もの移民を乗せた漁船が沈没。沿岸警備隊は104人を救助したものの、82人が死亡、500人以上が今も行方不明のままである。

ギリシャ当局は対応の遅れが大量死を招いたと批判を浴びている。

一部の人権団体はギリシャ当局が海上で発見した移民船をトルコ側に押し戻し、亡命の機会を奪っていると主張している。ギリシャ政府はこの主張を強く否定している。

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