◎貨物船は太平洋の島しょ国ツバル籍で、先月29日に他の貨物船と衝突、座礁した。
2022年9月1日/英領ジブラルタル沖、座礁した貨物船とオイルフェンスを張るタグボート(Marcos Moreno/AP通信)

ジブラルタル政府は1日、沖合で座礁した貨物船から少量の重油が漏れていると発表した。

この貨物船は太平洋の島しょ国ツバル籍で、先月29日に他の貨物船と衝突、座礁した。

ジブラルタル港の責任者は声明で、「重油の流出はごく少量であり、完全に制御されている」と述べた。AP通信によると、ジブラルタルとスペインの沿岸警備隊がタグボートを使ってオイルフェンスを張った。

ジブラルタル警察はこの衝突事故で1人を逮捕したと発表しているが、詳細は明らかにしていない。

スペイン公共放送TVEによると、最初に設置した油流出吸収ブームから重油が少量流出したため、その外にオイルフェンスを設置したという。

ジブラルタルとスペインの沿岸警備隊はその後、ブームの外に流出した重油を回収した。TVEによると、貨物船を調査したダイバーは燃料タンクに通じる通気口を封鎖したという。

流出した重油がこの海域に影響を与えるかどうかは不明。すぐ近くにはビーチもある。

ジブラルタル政府のピカルド(Fabian Picardo)首相はTVEの取材に対し、「タンク内に残っている燃料の抜き取りは貨物船の保険会社が主導する予定」と説明した。

ピカルド氏によると、抜き取り作業は約50時間で完了する予定。この貨物船には重油215トン、ディーゼル250トン、潤滑油27トンが貯蔵されている。

ジブラルタル港は閉鎖されたままだが、隣のスペイン南部アルヘシラス港は稼働している。

2022年9月1日/英領ジブラルタルのビーチと座礁した貨物船(Marcos Moreno/AP通信)
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