◎中道右派・左派政党はこの数カ月、党員や支持者が暴力やヘイトクライムに直面しているとして、政治家と選挙集会の保護体制を強化するよう警察に求めてきた。
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル党首(AP通信)

ドイツ東部ザクセン州ドレスデンで来月行われる欧州議会選に立候補していた男性候補が暴行を受けた事件について、捜査当局は5日、17歳の少年が出頭したと明らかにした。

それによると、少年は両親に付き添われ、5日午前1時頃にドレスデンの警察署に出頭したという。

ザクセン州警察の広報担当はdpa(ドイツ通信社)の取材に対し、「少年は暴行に関与したと認めている」と語った。

ショルツ(Olaf Scholz)首相の与党・社会民主党の男性候補は3日、ドレスデン市内で選挙用のポスターを貼っていたところ、少なくとも4人に殴られ、重傷を負った。

男性は病院に搬送され、手術を受ける予定だ。報道によると、容体は安定しており、命に別条はないという。

社会民主党は欧州議会選に先立ち、中道右派と左派政党に対し、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と協力しないよう繰り返し呼びかけてきた。

中道右派・左派政党はこの数カ月、党員や支持者が暴力やヘイトクライムに直面しているとして、政治家と選挙集会の保護体制を強化するよう警察に求めてきた。

連立政権と最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)はAfDが暴力的なネオナチグループと連携し、暴力やヘイトクライムを煽っていると非難。AfD議員の1人はナチスのスローガンを使用したとして裁判にかけられている。

AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。

AfDは今年9月に予定されているザクセン州、テューリンゲン州、ブランデンブルク州の州議会選で第1党に躍進する可能性があり、来月の欧州議会選でも議席を伸ばすと予想されている。

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