◎極右組織は連邦政府のコロナウイルス制限の強化案を支持したザクセン州の州首相を殺害する計画について話し合っていた
2021年12月15日/ドイツ、ザクセン州ドレスデンのピエシェン地区、容疑者を連行する警察官(Sebastian Kahnert/ドイツ通信社)

12月15日、ドイツ東部ザクセン州の警察当局は州首相の殺害計画を企てた極右組織を捜索し、数人を拘束した。

ドイツ通信社などによると、極右組織は連邦政府のコロナウイルス制限の強化案を支持したミヒャエル・クレッチマー州首相を殺害する計画について話し合っていたという。

ザクセン州のコロナワクチン接種率は全国で最も低く、各地で頻繁に抗議デモが開催されている。

警察当局によると、極右組織の構成員103人はワクチン接種と連邦および州政府のコロナ規則を拒否するというスローガンを共有していたという。捜索の結果、構成員のものと思われるクロスボウなどの武器が発見されたと伝えられている。

ザクセン州警察の報道官は15日、組織の構成員6人を拘束し、取り調べを行っていると明らかにした。6人はすべてドイツ市民で内訳は男性5人と女性1人。

クレッチマー州首相は声明で、「コロナと戦う当局者、科学者、ジャーナリストに対する脅迫は容認できず、容認されず、調べ尽くされ、追及される」と極右組織を非難した。

オラフ・ショルツ首相は15日の議会演説で、「一部の過激派の思想を社会に押し付けることを許してはならない」と述べた。

殺害計画を最初に報じたジャーナリストによると、極右組織はクレッチマー州首相を殺害するという計画をメッセージングアプリTelegramで共有していたという。

ドイツ通信社は先日の報道で、「組織の構成員たちはドレスデン・オンライン・ネットワーキングと名乗り、計画について話し合い、公園で会合を開くこともあった」と報じた。その後、警察当局は「武装する準備はできている」とアプリに投稿した構成員の1人を監視した。

警察は声明の中で、「組織はクレッチマー州首相および他の州の関係者を殺害する計画について話し合っていた」と述べた。

クレッチマー州首相は野党に降格したキリスト教民主同盟所属で、当初は厳しいコロナ制限に反対していたが、ザクセン州の陽性率が急上昇したことで考えをあらため、新政権の政策を支持するようになった。

ザクセン州で少なくとも1回ワクチンを接種した人は16州の中で最も低い約62%。一方、陽性率は全国2位である。

連邦政府は先週、来春までにすべての医療従事者と兵士にワクチン接種を義務付ける法案を可決すると発表した。またショルツ首相は、すべての成人にワクチン接種を義務付けるべきという欧州委員会の提案を支持した。

ドイツ通信社によると、シュルツ首相の所信表明演説後、一部地域で抗議デモが相次いでいるという。また、少なくとも12通の脅迫状が政治家、報道機関、公的機関に届いたと報告されている。その中には「肉片」を入れたものもあった。

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