◎各地の市営プールは利用者に対し、他の利用者に配慮し、楽しくプールを利用するよう促している。
ドイツの屋外プールで乱闘事件が相次いでいる。公共放送ZDFが22日に報じた。
それによると、全国的に気温が上昇し、地元の市営屋外プールに多くの利用者が集まった結果、トラブルが発生しやすくなったという。
各地の市営プールは利用者に対し、他の利用者に配慮し、楽しくプールを利用するよう促している。
しかし、先週だけでも数件、全国ニュースで乱闘事件が報じられた。
首都ベルリンのノイケルン地区にある屋外プールでは21日、滑り台で喧嘩が置き、警察が介入する事態に発展した。
ベルリンの別の地区では19日に若者2人とライフガード2人がつかみ合いの喧嘩となり、その後、約30人を巻き込む大乱闘に発展。警察が介入し、プールは閉鎖された。
さらに、週末には南西部の都市マンハイムで40人以上が絡む喧嘩が発生。24歳の男性がナイフで切り付けられたと伝えられている。
ZDFによると、市営プールにおける暴力事件の件数は集約されていない。
ベルリンの自治体は乱闘が多発していることについて、「全国にある何千ものプールで同様の事件が発生しているわけではなく、警察沙汰になるようなケースは極めて稀」と説明している。
しかし、連邦警察は今週、プールファイトが多発していることに深刻な懸念を表明した。「子供も利用するプールで大の大人が喧嘩しないでください!」
連邦警察の労組の書記長もドイツ通信社(dpa)のインタビューで、「敬意を持って人と接する。暴力ではなく言葉で平和的に問題を解決する...当たり前のことを理解していない・できない大人が多すぎる」と述べている。
プールで乱闘が多発している背景には何があるのか?メディアの反応は様々だ。
一部のSNSユーザーは▽イライラする暑さ▽アルコール▽水着姿の女性▽半裸の若者の群れが組み合わさった結果、乱闘が起こるのだと主張している。
あるツイッターユーザーは「市営プールにたむろする若者は概ね粋がり、若い女性にアピールしたいのだろう」と投稿している。「つまり、乱闘の背景にあるのは血気盛んな男と水着姿の美しい女性なのです!」
しかし、自治体はドイツの伝統的なプール文化がいくつかの都市でより広範に変化した結果、騒乱に発展しやすくなったと主張している。
連邦警察は運営者やライフガードに対し、喧嘩がエスカレートする前に迅速に介入するための共同戦略を地元警察と策定するよう促している。
ある自治体はプールの入り口で利用者が刃物を持っていないかチェックしたり、ルールをより厳格にするなどの対策を取っている。
ドイツ政府はプールを老若男女が利用できる社交場のひとつとして、積極的に建設・整備してきた。
自治体はプールが自由になりすぎないよう管理・監督する義務を負っている。全裸は禁止、花火も禁止、飲酒もダメ、喧嘩ももちろんダメ、性行為などもってのほかである。
しかし、今日のドイツはかつてないほど上下関係が希薄だ。ベルリンのある自治体はホームページにこう投稿している。「子供があなたを見ています。粋がらないで、楽しく元気に水浴びしましょう」