◎ドイツのための選択肢(AfD)は2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。
ドイツ、反移民政策を支持する極右の集会(Sebastian Christoph Gollnow/ドイツ通信社)

ドイツの首都ベルリンで極右の反移民政策に抗議する集会が開かれ、数千人が参加した。

このデモは極右政党が最近、政権をとったら数百万人の移民を強制送還すると会合で話し合ったという報道を受け開催された。

西部デュイスブルクでも13日に同様の集会が開催されている。

ベルリン郊外のポツダムとブランデンブルク門周辺に集まったデモ隊は「二度と間違えない」「AfDをテロ組織に指定せよ」などとシュプレヒコールを上げた。

ポツダムの集会に参加したベーアボック(Annalena Baerbock)外相はドイツ通信社(dpa)の取材に対し、「民主主義を支持し、新旧のファシズムに反対する市民の1人として参加した」と語った。

報道によると、ショルツ(Olaf Scholz)首相も集会に参加したという。

dpaなどは先週、極右組織が昨年11月に開いた会合に「ドイツのための選択肢(AfD)」などの極右政党関係者が出席していたと報じた。

集会ではドイツで市民権を得た移民を含む数百万人を強制送還する方法などが議論されたという。

ポツダム市長は14日の集会で極右の計画を「ドイツ史上最も暗い、悪夢の章(ユダヤ人大虐殺)を彷彿とさせる」と断じた。

AfDは極右組織の集会に党として公式に職員を送ったというメディアの報道を否定。「出席した職員は個人的な立場で参加したにすぎず、党がそこで話し合われた内容について責任を負うことはない」と反論した。

AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。

AfDの創設者はユーロ通貨に反対するためにこの組織を立ち上げたが、2014~15年のシリア難民危機で移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。

この騒動を受け、AfDの議会追放を求める声が高まっている。ただし、追放はやり過ぎという意見も根強く、手続きにはかなりの時間がかかり、仮に実施したとしても司法でひっくり返される可能性がある。

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