◎2022仏大統領選挙は4月10日に行われる予定。
2021年12月11日/フランス、パリのアリーナ、共和党のヴァレリー・ペクレス氏(Christophe Ena/AP通信)

12月11日、来年の大統領選挙に立候補した共和党(旧国民運動連合)のヴァレリー・ペクレス氏がパリで最初の政治集会を行い、エマニュエル・マクロン大統領と極右を打ち負かすと誓った。

2022大統領選挙は4月10日に行われる予定。第1ラウンドで過半数を獲得する候補者が出なかった場合は4月24日の決選投票で勝者を決める。

保守派のペクレス氏は2007年のフランソワ・フィヨン政権(サルコジ大統領時代)で初入閣を果たし、財務相などを歴任した。現在はイル=ド=フランス地域圏の知事を務めており、先週の党予備選に勝利し、立候補を正式に表明した。共和党が女性候補を擁立するのは初めて。

一部メディアの世論調査によると、ペクレス氏の支持率は他の主要候補に肉薄しているという。なお、マクロン大統領はまだ立候補を表明していないが、2期目を目指すと期待されている。

ペクルス氏は支持者に共和党の勝利を約束し、マクロン大統領と他の極右政党を打ち負かすと誓った。「私たちは戦場に戻ってきました。選択肢はふたつです。フランス人は私かマクロンを選択します。勝つのは私たち共和党です...」

一方、2017年の決選投票でマクロン大統領に敗れた極右国民連合のマリーヌ・ル・ペン党首と最も危険な極右と呼ばれているエリック・ゼムール候補は、反イスラムと反移民キャンペーンを展開し、右翼活動家の支持を集めている。

リベラル派の社会党はパリ市長のアンヌ・イダルゴ氏、緑の党は環境NGOグリーンピースの活動家であるヤニック・ジャドー議員を候補に擁立した。左翼戦線の極左指導者ジャン=リュック・メレンチョン氏も3度目の立候補をすでに表明している。

ペクルス氏は移民と安全保障に関する立場をすでに固めており、ここ数カ月の演説で「不法移民の取り締まりだけでなく、移民にフランス文化を吸収し適用するよう求め、主に都市部で発生している移民関連の問題を解消する」と述べている。

ペクルス氏は支持者に、一部地域で勢いを増している「イスラム主義」と呼ばれる思想に警戒するよう呼びかけた。「私はイスラム主義の台頭、フランスのイスラム化を止めると約束します。フランスの憲法は女性の基本的人権を保障します...」

またペクルス氏は、大統領に選出された場合、フランス人のために職場環境を改善し、より多くの収入を得られるようにすると述べ、「強いフランスを取り戻す」と誓った。「私は米国の家臣、中国のいいなり、EUの2番手ではなく、世界で主導的な役割を果たす強いフランスを取り戻すつもりです...」

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