◎軍政は駐仏大使に国外退去を命じたが、同大使は首都ニアメの大使館にとどまっている。
ニジェール、首都ニアメ、駐仏軍の撤退を求めるデモ(Getty Images)

フランス外務省は12日、軍事政権の統治下に置かれたニジェールで在外フランス人参事官が逮捕されたと明らかにした。

それによると、参事官は首都ニアメで8日に逮捕されたという。

大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日にニアメの大統領府を占拠し、バズム氏とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)はバズム氏の即時解放と憲法秩序の回復を軍政に求め、応じない場合は軍事介入も辞さないと警告している。

フランス外務省はX(旧ツイッター)に声明を投稿。ニジェール軍政に参事官の即時釈放を求めた。

軍政は旧宗主国であるフランスを非難することで国民の反フランス感情を高め、支持を集めようとしている。軍政を支持するデモ隊は連日反フランスデモを行い、ロシアとの関係を強化するよう求めている。

軍政は駐仏大使に国外退去を命じたが、同大使はニアメの大使館にとどまっている。

マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領も選挙で選出されたバズム氏への支持を表明し、軍政の要請には一切応じないとしている。

今回の参事官逮捕は両国間の緊張をさらに高める可能性がある。

フランス外務省は参事官がどこで、どのような理由で逮捕されたか明らかにしていないが、「フランスは事態を注視しており、ニジェールで生活するフランス人の安全を確立するために必要な措置を取る」としている。

ニジェールはアフリカ西部・中部のサヘル地域で拡大するイスラム過激派との戦いにおいて、西側諸国の戦略的パートナーであった。

ニアメには仏軍と米軍が駐留している。米軍は北部のサヘル地域にある軍事基地にも部隊を展開し、イスラム過激派との戦いを支援してきた。

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