◎ストはまもなく4週目を迎える。
強硬派労働組合「フランス労働総同盟(CGT)」の組合員(Getty Images)

パリ郊外の市民は15日、近くのガソリンスタンドに燃料が補給されたという情報を受け、現場に殺到した。情報が伝わったのは深夜12時だった。

国営フランス・テレビジョンは6歳の子供を抱く母親が夜の街に飛び出す様子を取材した。この女性はホームヘルパーで、パリ郊外で支援を必要とする人々をサポートするためにどうしてもガソリンを補給する必要があった。

女性は取材に対し、「給油できてホッとしている」と語った。

強硬派労働組合「フランス労働総同盟(CGT)」は14日、エネルギー大手トタルが提示した7%の賃上げを拒否し、ストを継続すると誓った。

ストはまもなく4週目を迎える。報道によると、国内にある7つの製油所のうち6つが閉鎖を余儀なくされているという。

この結果、燃料のパニック買いが起こり、多くの市民がガソリンスタンドに殺到、長蛇の列ができた。仕事で車を使う数百万人の労働者はため息をつき、パリ市内では自転車に乗る人が増えたと報告されている。

パニエリュナシェ(Agnes Pannier-Runacher)エネルギー移行相によると、15日の時点で全国のスタンドの25%超が燃料の確保に苦労し、パリ周辺のスタンドは特にひどい状態だという。

人口の多いエリアのスタンドは特に苦労しているようだ。

運転手は給油のために何時間も並ぶが、給油できないことも珍しくない。

パリ郊外の町ベルサイユ在住の看護師はAP通信の取材に対し、「確実に給油できるという情報を待っている」と語った。「私の車に残されている燃料は残り僅かです。失敗は許されません...」

この女性は燃料を節約するために毎朝10km歩いて通勤している。

全国の労働者の過半数を代表するCGTとフランス民主労働総同盟(CFDT)は10%の賃上げを要求している。ただし、CFDTと他の労組は今週初めの賃上げ交渉に合意したため、米石油大手エクソンモービルの支社のストは終わったようだ。

労組はロシアのウクライナ侵攻がもたらした原油・ガス価格の高騰で市民が疲弊しているにもかかわらず石油企業は利益を上げていると批判し、利益を従業員に還元するよう求めている。

政府はパニック買いを起こさないよう呼びかけ、一部のガソリンスタンドはジェリカン(燃料容器)の持ち込みを禁止した。

パリのある医療グループはSNSで利用可能な車の情報を共有している。看護師や医師はサポートを必要とする患者の自宅に向かうために車を融通し合い、燃料が補給されたスタンドの情報も共有しているという。

2022年10月14日/フランス、パリ郊外のガソリンスタンド(Michel Euler/AP通信)
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