◎これで公共の場に設置されていたレーニン像はすべて撤去された。
2022年10月4日/フィンランド、コトカのレーニン像(Sasu Makinen/Lehtikuva)

フィンランド当局は4日、南東部コトカの市内に設置されていた国内最後のレーニン像を撤去した。

地元メディアによると、これで公共の場に設置されていたレーニン像はすべて撤去されたという。

コトカはロシア国境にほど近い人口約5万2000人の港町。市の委託作業員はユニック車でレーニン像を吊り上げ、地元の博物館倉庫に運び込んだ。

フィンランド放送協会(YLE)は市立博物館の館長の話を引用し、「この胸像は1970年代後半にエストニアの彫刻家がデザイン・制作したもの」と報じている。

館長によると、この像は1979年にエストニア・ソビエト社会主義共和国(当時)の首都タリンからコトカに贈られたという。

最後のレーニン像はコトカの中心部にある公園に設置されていた。このすぐ近くには。国民ボリシェビキ党の創設者でソ連初の首相となったウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)が滞在したとされる木造家屋がある。

コトカ市議会は像の撤去を賛成多数で可決。撤去される運びとなった。他の欧州諸国も旧ソ連時代の記念碑を撤去している。

フィンランドとロシアは複雑な歴史を共有している。

フィンランドはロシア革命後の1917年12月6日に独立を宣言するまで、100年以上にわたって自治権を持つ大公国としてロシア帝国の管理下に置かれていた。

レーニンとボルシェビキ指導部はフィランドの独立を認めた。レーニンはロシア革命に先立ち、何度かフィンランドに亡命し、南部の都市や町で生活していた。フィンランド南部の工業都市タンペレにはレーニン博物館がある。

1905年、タンペレで開かれたボリシェビキの指導者会議で後にソ連の独裁者となるヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)とレーニンが初めて顔を合わせた。

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