◎欧州中央銀行(ECB)のさらなる利上げは避けられそうにない。
フランス、ニースの市場(Eric Gaillard/ロイター通信)

EUの執行機関である欧州委員会は31日、ユーロ圏(19カ国)の10月の消費者物価指数(CPI)が前年同月から10.7%上昇し、過去最高を更新したと報告した。

9月のCPIは9.9%増。1年前は4.1%だった。

データによると、加工食品とエネルギーを除いた10月のCPIは6.4増。先月は6%。

アルコールとタバコを除いたより狭い指標は5%増となった。

アナリストはこの発表を受け、欧州中央銀行(ECB)のさらなる利上げは避けられないという見通しを示した。

コメルツ銀行のシニアエコノミストはECBが2022年最終四半期時点のCPIを9.2%と予想していることに触れ、「インフレ率を2%弱押し戻すというECBの目標は、まだまだ先のことのように思える」と懸念を示した。

あるアナリストはSNSに、「これで主要政策金利を大幅に引き上げる可能性が高まった」と投稿している。

ユーロ圏のベンチマークであるドイツの10年物国債利回りは0.6%上昇し、2.147%となった。

ドイツの2年物利回りも0.4%上昇し、1.968%となった。

投資家は利上げペースが減速する可能性もあると楽観視していたが、ECBは金融引き締めモードを維持しているとみられる。

リフィニティブ(Refinitiv)のデータによると、市場は12月会合で0.5%の利上げを予想している。

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