◎ロシアと国境を接するフィンランドやエストニアなどはすでに国境管理を強化している。
2022年7月14日/ロシアとフィンランドの国境検問所(Getty Images/AFP通信)

EUの執行機関である欧州委員会は6日、ロシア人観光客の入国規則を強化すると提案した。

加盟27カ国が承認すれば、ロシア人のビザ申請手続き時間は長くなり、手数料は現在35ユーロから80ユーロ(約1万1400円)に値上がりする。

<入国規則強化の概要>
▽手数料値上げ
▽申請手続きの長期化
▽マルチエントリービザ(数次査証)の制限
▽提出書類増

欧州委員会はロシアの侵略戦争が続く間、国境ルールを強化すべきと加盟国に求めている。

ロシアとEUのビザ協定の基盤にある「信頼」はウクライナ侵攻で完全に損なわれたが、報道によると、2月の開戦以来、EUに入国したロシア人観光客は100万人を超えた。

ロシア人はEUとの協定により、EUビザを容易に取得できる。

欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は6日、「ロシアとこれまで通りの関係を維持できるわけがない」とツイートした。「ロシアとのビザ協定を今すぐ停止すべきです...」

加盟27カ国は先週行われたEU外相会合でロシアとのビザ協定を停止することに原則合意した。

ウクライナはロシア人の入国を完全に禁じるようEUに求めているが、ドイツやフランスなどが反対したため、規則の強化にとどめられた。

ロシアと国境を接するフィンランドやエストニアなどはすでに国境管理を強化している。

ロシア大統領府のペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は先週、EUの措置を「自傷行為」と呼び、馬鹿げた決定と非難した。

欧州委員会は加盟国に対し、占領下のウクライナで発行されたロシアの旅券を承認しないよう提案している。

EUはロシア便の受け入れを禁じているが、陸路で入国することは可能であり、多くのロシア人が国境を接するフィンランドやエストニアから他国行きの便に搭乗している。

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