◎関税の税率や規模は明らかにされていない。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長(ロイター通信)

EUの執行機関である欧州委員会は21日、ロシアとベラルーシ産の穀物に関税を課すことを加盟27カ国に提案していると明らかにした。

フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長はブリュッセルで開幕したEUサミットでこの提案について説明。「ロシアが穀物、油糧種子、その他製品の輸入によってEU市場を不安定化させる試みを阻止するものである」と述べた。

またフォンデアライエン氏はロシアとベラルーシがEUへの穀物輸出で多くの利益を得ていると指摘。さらに、ウクライナの穀物をロシア産と偽って輸出していると非難した。

ロシアに編入されたウクライナ東部・南部4州は穀倉地帯のひとつであり、小麦、大麦、ヒマワリ油などを生産している。

フォンデアライエン氏は「ロシアがウクライナから盗んだ穀物をEU市場に流入させないようにしたい」と強調した。

関税の税率や規模は明らかにされていない。

EUはウクライナ支援の一環として、ロシアに様々な経済制裁を科している。

その対象はエネルギー、銀行資産、ダイヤモンドなど、多岐にわたる。それにより凍結された資産は数千億ユーロにのぼり、EUはそれをウクライナ支援に充てたいと考えている。

欧州委員会は20日、この制裁によって欧州で凍結されたロシア中央銀行の資産が生む利息などの収入をウクライナに移転するよう加盟国に提案。こうした収入は年間25億~30億ユーロにのぼる見通し。

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