◎クロアチア政府は新年を祝う式典でユーロ採用を祝った。
2023年1月1日/クロアチア、首都ザグレブ、プレンコビッチ首相(左)と欧州委員会のフォンデアライエン委員長(Darko Bandic/AP通信)

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は1日、クロアチアのユーロ通貨への切り替えとシェンゲン協定加入を称えた。

フォンデアライエン氏は首都ザグレブでプレンコビッチ(Andrej Plenkovic)首相およびスロベニアのミュザール(Natasa Pirc Musar)大統領と会談し、その後、シェンゲン圏加入を記念してスロベニア国境を徒歩で通過した。

シェンゲン圏はクロアチアを含むEU23カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの27カ国で構成され、圏内のビザなし渡航や国境検査を受けずに人・物が自由に行き来できる。また、シェンゲン協定加盟国以外の19カ国もシェンゲン・ビザを取得しての入国を認められている。

クロアチア政府は新年を祝う式典でユーロ採用を祝った。

フォンデアライエン氏は記者団に対し、「クロアチアが仲間入りしたことを嬉しく思う」と語った。

スロベニアは2004年5月にEU、2007年12月にシェンゲン圏に加わった。

クロアチアのプレンコビッチ氏は記者会見で、「EU加盟を目指す隣国ボスニア、セルビア、モンテネグロとの国境を適正に管理する」と約束した。

またプレンコビッチ氏はこの3カ国との国境に障壁は設置せず、「EU加盟の経験を活かして、3カ国がクロアチアと同じ目標を達成できるよう支援する」と述べた。

ミュザール氏は「西バルカン諸国における唯一の正しい道は、EU27カ国と前に進むことだ」と述べ、「スロベニアとクロアチアは共に近隣諸国のEU加盟を支援する」と表明した。

ボスニア、セルビア、モンテネグロはいずれもEU加盟を目指しているが、ゴールへの道のりは異なる段階にある。

モンテネグロとセルビアは数年前に加盟交渉を開始し、ボスニアは昨年12月に加盟候補入りした。

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