◎首相通算在任日数を更新したルッテ首相は政界引退を表明している。
2023年11月20日/オランダ、首都アムステルダムの通り(Getty Images/AFP通信)

オランダで22日、総選挙(下院、定数150)が行われ、開票作業が進められている。

イプソスMMAの出口調査によると、反移民・反イスラムを公約に掲げる極右「自由党(PVV)」が第1党に躍進する見通し。

PVVは35議席を獲得すると予想されているが、単独過半数には届きそうにない。

自由党のウィルダース(Geert Wilders)党首は声明で、「PVVは無視できない存在になった。我々は政権を取る」と宣言。有権者に謝意を示し、中道右派政党との連立交渉に臨むと示唆した。

選挙管理委員会は数日中に最終結果を公表するとしている。PVVが第1党になれば、オランダ政治は大きく揺らぐことになるだろう。

しかし、地元メディアはPVV連立内閣が発足する可能性は低いと見ている。

ウィルダース氏と対立する3つの大政党「自由民主党(VVD)、中道の新社会契約党(NSC)、左派連合(PVDA・GL)」はPVVと手を組むつもりはないと明言している。

しかし、ウィルダース氏は勝利演説で闘志を露わにした。「我々は政権を取りたいし、35議席あれば政権を取ることができる。35議席は大きな賛辞であり、同時に大きな責任でもあるのだ!」

イプソスによると、左派連合は25議席で2位予想。PVVと交渉する可能性はゼロだ。

そのため、ウィルダース氏は残り2政党から支持を得る必要がある。

与党・自由民主党は議席を伸ばせず3位となる見通し。

左派連合と自由民主党の党首は声明で、ウィルダース氏の成功を祝福したが、連立交渉には言及せず、「最終結果を待ちたい」と述べるにとどめた。

同国の首相通算在任日数を更新したルッテ(Mark Rutte、56歳、自由民主党)首相は政界引退を表明している。

スポンサーリンク