◎イギリスとウクライナは判決を国際法違反と一蹴した。
ウクライナ東部のテロ国家であるドネツク人民共和国の裁判所は9日、ウクライナ軍に奉仕した英国人2人とモロッコ人に死刑を宣告した。
ロシアのインタファクス通信によると、英国人のアスリン（Aiden Aslin）氏とピナー（Shaun Pinner）氏、モロッコ人のブラヒム（Saaudun Brahim）氏はウクライナ軍の傭兵として活動した罪などで告発されたという。
イギリスとウクライナは判決を国際法違反と一蹴した。
英BBCニュースによると、英国人2人の家族は「2人はウクライナ軍の兵士であり傭兵ではない」と主張しているという。
3人には控訴する権利が与えられている。猶予は1カ月以内。
インタファクス通信によると、3人はいずれも「傭兵として活動した罪」「複数の暴力に関与した罪」「テロ活動を行うための訓練を受けた罪」で起訴されたという。
イギリスのトラス（Liz Truss）外相は判決を非難し、「公平性ゼロの見せかけ裁判」とツイートした。
英首相府の報道官は9日、「戦争捕虜は政治的な目的のために利用されるべきではない」と懸念を表明し、ジュネーブ条約に規定された戦争法を引用した。
インタファクス通信は裁判長の判決を引用し、「裁判所は判決を下すにあたり、定められた規範や規則だけでなく、正義という侵すことのできない大原則に導かれた」と報じている。
アスリン氏はノッティンガムシャー州、ピナー氏はベッドフォードシャー州出身で、4月に拘束された。BBCによると、2人は2018年からウクライナで生活し、アスリン氏にはウクライナ人の婚約者がいるという。
ノッティンガムシャー州の議員はSNSに、「在ロシア大使を呼び出し、このひどい判決を説明させる必要がある」と投稿している。
ウクライナ外務省は声明で、「ウクライナのために戦い拘束されたすべての外国人は国際人道法に基づく戦争捕虜としての権利を持っており、3人に対する虐待、脅迫、非人道的な行為は禁じられている」と述べた。
