◎西欧への亡命を希望する移民はチェコを経由してフランス、イギリス、イタリアなどを目指す。
2022年9月29日/チェコ、スロバキア国境付近をパトロールする警察官(Petr David Josek/AP通信)

チェコ政府は1日、不法移民の増加を受け隣国スロバキアの国境に導入した入国チェックを終了すると発表した。

この措置は昨年9月末に導入された。チェコとスロバキアはビザなしで往来できるシェンゲン圏に属している。措置は10日間で終了する予定だった。

チェコ内務省は当時の声明で、「今年領内で拘束した不法移民は約1万2000万人に達し、そのほとんどがシリアの移民だった」と説明。2015年のシリア難民危機以上の流入数と報告していた。

また同省は「1日400人を拘束した日もあった」と述べていた。

同省の報道官は1日、「不法移民の数が大幅に減少したため、近いうちに国境チェックを終了する」と述べた。

同省によると、この4カ月で300万人以上が国境で検査を受け、2545人が入国を拒否されたという。さらに移民約1万人と141人の密入国者が拘束された。

西欧への亡命を希望する移民はチェコを経由してフランス、イギリス、イタリアなどを目指す。

オーストリア政府も移民問題に対処するためスロバキア国境の警備を強化している。

シェンゲン協定加盟国は不法移民の取り締まりやコロナの蔓延防止など、さまざまな理由で国境警備を一時的に強化してきた。

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