◎キプロス政府によると、今年上半期の亡命希望者数は約1万2000人で、昨年とほぼ同じだった。
キプロス近海、亡命希望者たち(Getty Images)

キプロス警察は25日、同国の南東近海で亡命希望者を乗せたボートが2隻沈没し、シリア人37人を救助したと発表した。

キプロス国営通信CNAによると、このうち5人が人身売買に関与した疑いで逮捕されたという。身元は明らかにされていない。

警察の報道官はCNAの取材に対し、「5人は46歳から53歳のシリア人で、利益を得るために第三国からキプロスへの不法入国を手助けした疑いで逮捕された」と語った。

また報道官は5人が人身売買に関与した可能性があると特定した理由について、「救助した亡命希望者の一部が5人がキプロスへの入国を斡旋したと証言した」と説明した。

報道官によると、逮捕された5人のうち1人はキプロスから1度強制送還されたことがあるという。

キプロスにはシリアなどから亡命を求める移民が大量流入しており、その大半が分離独立を主張する北部の北キプロスを経由してキプロスへの亡命を試みる。

キプロス政府によると、今年上半期の亡命希望者数は約1万2000人で、昨年とほぼ同じだった。

キプロスの人口は約91万5000人。国内の施設に収容された亡命希望者の人口に占める割合はEU加盟27カ国の中で最も高い5%に達している。

キプロス警察は人身売買関連の取り締まりを強化している。

警察の統計によると、今年1~7月までに30件の人身売買容疑で50人を逮捕したという。これは2021年通年とほぼ同じである。

今年、亡命申請を却下された約3500人は強制送還されるか、自主的に本国に戻っている。

2022年2月9日/キプロス、首都ニコシアの郊外にある移民受付センター(Petros Karadjias/AP通信)
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