▽クロアチアの大統領は儀礼的な存在に過ぎないが、議会の解散権や軍の最高司令官としてある程度の政治的影響力を行使する。
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クロアチアで29日、大統領選挙が行われ、現職のポピュリストであるミラノビッチ(Zoran Milanović)大統領が最多得票を獲得した。
選挙管理委員会によると、開票率99.9%時点でミラノビッチ氏の得票率は49%、与党・クロアチア民主同盟(HDZ)のプリモラツ(Dragan Primorac)氏に大差をつけたが、過半数には届かなかった。プリモラツ氏の得票率は19%。
これにより、ミラノビッチ氏とプリモラツ氏が1月12日の決選投票に進むことが確実となった。
選挙前の世論調査でもこの2人の一騎打ちが予測されていた。
ミラノビッチ氏は支持者に感謝しながらも、「気を引き締める必要がある」と警告した。「現実に目を向け、地に足を付け、もう一度戦う必要があります。選挙はまだ終わっていません...」
ミラノビッチ氏は58歳。過去に首相を務めたことがあり、5年前の大統領選で当時のグラバルキタロビッチ(Kolinda Grabar-Kitarovic)大統領を破って初当選を果たした。
ミラノビッチ氏とHDZのプレンコビッチ(Andrej Plenkovic)首相は政治的にライバル関係にある。
ミラノビッチ氏はウクライナ支援に否定的な考えを示し、プレンコビッチ氏と激しく対立。両者の口論は最近のクロアチアの政治を特徴づけている。
プリモラツ氏は大学教授であり、自らを統合派、ミラノビッチ氏を分裂派として描いてきた。
HDZは今回の大統領選をEUとNATOにおけるクロアチアの将来を決める国民投票と位置づけ、有権者にプリモラツ氏を支持するよう訴えてきた。
プレンコビッチ氏はミラノビッチ氏を「親ロシア派」と評し、クロアチアの国際的地位を脅かす存在であると批判している。
クロアチアの大統領は儀礼的な存在に過ぎないが、議会の解散権や軍の最高司令官としてある程度の政治的影響力を行使する。