◎デンマークの刑法は大麻を含む違法薬物の所持・売買・使用を禁じている。
デンマーク、首都コペンハーゲンのクリスチャニア地区(Getty Images)

デンマーク・首都コペンハーゲンのアンデルセン(Sophie Hæstorp Andersen)市長が4日、クリスチャニアで大麻などの違法薬物を購入しないよう外国人に呼びかけた。

クリスチャニアでは8月26日、対立するギャングと麻薬密売組織による抗争が発生し、30歳の男性が死亡、4人が負傷した。

クリスチャニアはコペンハーゲンを代表する観光名所のひとつであり、訪れる人の多くが外国人である。

両組織はクリスチャニアの麻薬取引でしのぎを削っているようだ。

警察は1日、この抗争に関与したとして、麻薬密売組織の構成員とみられる28歳の男を逮捕した。

容疑者の身元と認否は明らかにされていない。

デンマークの刑法は大麻を含む違法薬物の所持・売買・使用を禁じている。

アンデルセン氏は記者会見で、「クリスチャニアで暴力が多発している」と述べ、外国人観光客や留学生に対し、地元の売人から大麻やその他の薬物を購入しないよう呼びかけた。

クリスチャニアはコペンハーゲンにある準自治区で、1970年代にヒッピーたちによってつくられた。地元メディアによると、クリスチャニアでは長年にわたって薬物が公然と売買されてきたという。

警察が2004年にクリスチャニアの麻薬取り締まりに乗り出すまで、麻薬の販売や所持は事実上黙認されてきた。しかし、2004年以降も麻薬の売買は続いており、時折、ギャングや密売組織絡みの暴力事件が報告されている。

今回の発砲事件の翌日、クリスチャニアの住民たちは麻薬取引で悪名高いプッシャーストリートを閉鎖するよう警察に求めた。

一部の住民は先月、重機を使ってこの通りを封鎖したものの、その後、売人とみられる覆面をした男たちが重機を撤去した。

市当局はクリスチャニアの麻薬取引を根絶する対策・解決策を示していない。警察はこれまでにも何度かブッシャーストリートを取り壊したが、すぐ新しい店舗が現れるだけだった。

昨年10月にはプッシャーストリートで大麻を売っていた男が何者かに射殺された。2021年には通りの入り口で男が射殺されている。

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