◎イタリアの裁判所は、先月逮捕されたカタルーニャ自治州の元指導者で現職の欧州議会議員のカルラス・プッチダモン氏の身柄をスペインに引き渡すかどうかの決定を延期した
2021年9月27日/ベルギー、ブリュッセルの欧州議会、カルラス・プッチダモン議員(Riccardo Pareggiani/AP通信)

イタリアの現地メディアによると、サルデーニャ島の裁判所は先月逮捕されたカタルーニャ自治州の元指導者で現職の欧州議会議員のカルラス・プッチダモン氏の身柄をスペインに引き渡すかどうかの決定を延期したという。

判事は10月4日の公聴会でスペイン政府の身柄引き渡し要求に対する決定を延期し、プッチダモン議員のイタリア国外への移動を認めた。

プッチモン議員は9月23日、サルデーニャ島の分離主義者が主催するイベントに参加するため島を訪れ、逮捕された。

プッチダモン議員は裁判所前で記者団に、「とても幸せです」と語った。その後、同氏はソーシャルメディアにサルデーニャ島からオンラインでブリュッセルの欧州議会定例会に参加すると投稿した。

プッチダモン議員はカタルーニャで州首相を務めていた2017年に独立の是非を問う違法な住民投票を決行したが、悲願を達成することはできず、その後逃亡先のドイツで反乱と公金横領の罪で逮捕された。しかし、ドイツの裁判所はドイツの国内法に基づきプッチダモン議員を不起訴処分と、ベルギーで逮捕されたカタルーニャの元高官らも不起訴処分になっている。

プッチダモン議員の弁護士は4日の会見で判事の決定を歓迎した。「議員は自由を得ました。私たちはプッチダモン議員の免責を解除した欧州議会に対する控訴審の裁定を待っています。さらに、2019年にスペイン当局が発行した逮捕状の正当性も確認しなければなりません...」

欧州議会は今年7月、スペイン当局の申し出に基づきプッチダモン議員の免責を解除した。プッチダモン議員は免責解除の取り消しを求めEUの裁判所に控訴している。

地元メディアは、「サルデーニャ島の裁判所はEU裁判所に提起された控訴審の判決が出るのを待つだろう」と報じた。2019年にスペインの最高裁判所が発行した逮捕状の正当性については、現在EU司法裁判所で争われている。

サルデーニャ島の裁判所前にはカタルーニャの分離主義者と思われるグループが集まり、プッチダモン議員の登場に合わせて「自由!」と連呼した。一部の支持者はカタルーニャ自治州の旗を振り、「イタリアの警察は恥を知れ!」と叫んだと伝えられている。

プッチダモン議員は記者団に対し、「カタルーニャの自由を求める者たちはベルギー、ドイツ、そしてイタリアで身柄の引き渡し命令に直面しました」と語った。「もう十分です。スペイン政府はもうやめようと言うべきです。この道はどこにも通じていません。自由を求める者たちの違法な逮捕は、カタルーニャとスペインの政治的対立を深めるだけです」

スペインのペドロ・サンチェス首相は今年7月、2019年に懲役9年~13年の実刑判決を受け服役していたカタルーニャの元高官たちに恩赦を与えた。

スペインの世論調査と選挙結果は、カタルーニャ自治州の有権者のおよそ半分が独立を支持し、残りはスペインにとどまりたいと考えていることを示している。プッチダモン議員が所属していた保守党は第一党から陥落したが、影響力を維持するためにライバル政党と連立を組んでいる。

一方、スペイン国民の大多数は裕福なカタルーニャの独立に強く反対している。カタルーニャは他の貧しい地域から移住した人々の希望の地であり、多くの雇用を生み出してきた。

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