◎10月2日の議会選で選出された議員たちは見事に分裂し、政治的行き詰まりが続いていることを有権者に示した。
2022年10月19日/ブルガリア、首都ソフィア、演説するラデフ大統領(Valentina Petrova/AP通信)

ブルガリア国会は19日、議長の選出に失敗し、有権者を失望させた。

10月2日の議会選で選出された議員たちは見事に分裂し、政治的行き詰まりが続いていることを有権者に示した。

この1年半で4回目となる議会選を制した中道右派の「GERB(欧州発展のためのブルガリア市民)」は18日、不満を表明した。

地元メディアによると、GERBと改革派の野党が擁立した議長候補はいずれも必要な支持を得られなかったという。

AP通信は当局者の話を引用し、「国会初日に議長を選出できなかったのは初めて」と報じた。

ボリソフ(Boyko Borissov)元首相率いるGERBは2日の選挙で投票率25.4%を獲得し第1党に返り咲いた。ペトコフ(Kiril Petkov)前首相率いる改革派を含む他の5政党がそれに続いている。投票率は40%に届かなかった。

ボリソフ氏は2009~2021年初めまで首相を務めたものの、汚職、ロシアオリガルヒとのつながり、メディアへの圧力疑惑などが浮上し、全国規模の激しいデモを引き起こした。

一方、ペトコフ氏率いる脆弱な旧連立政権は今年6月の不信任決議で崩壊した。

ペトコフ氏はロシア産天然ガスのルーブル建てを拒否し、ロシア外交官を追放している。同氏は不信任決議について、「親ロシア議員が政権を崩壊させた」と主張している。

地元メディアによると、多くの市民がロシアに同情を示しており、一部地域ではウクライナを誹謗中傷するプロパガンダが拡散しているという。

親ロシア政党Vazrazhdaneは2日の選挙で10.2%を獲得し、前回選挙の4.9%から支持を大きく伸ばした。

スポンサーリンク