◎欧州最貧国のブルガリアも厳しいインフレに見舞われ、食料や燃料などの価格が高騰している。
2022年11月11日/ブルガリア、首都ソフィアの議会近く、賃上げを求める集会(Getty Images)

ブルガリアの首都ソフィアで11日、労働組合主催の集会が開かれ、数千人が賃上げを求めて政府に抗議した。

欧州最貧国のブルガリアも厳しいインフレに見舞われ、食料や燃料などの価格が高騰している。

地元メディアによると、集会を主催したのは同国の2大労働組合だという。

参加者は議会議事堂前に集まり、横断幕を掲げ、政府に賃上げを要求した。

労組は最低賃金が現行水準で維持されるリスクを回避するために、▽来年度予算の速やかな成立▽エネルギー危機にさらされている低中所得者層に対する支援▽労働権の保護を求める共同宣言を国会に提出した。

集会に参加した救急隊員の女性はAP通信の取材に対し、「仕事の内容に見合った給与を支払ってほしい」と訴えた。

介護士として働く男性は「この低賃金を維持すれば、年寄りを介護する人はいずれいなくなる」と語った。

ブルガリアは先月、この1年半で4回目となる議会選を終えたばかりである。新政権は今回も過半数を得られず、連立交渉も実らず、厳しい政権運営を強いられることは確実だ。

多くの市民がこの国の閉塞感にウンザリしている。先月の議会選の投票率は40%に届かなかった。

労組の幹部はAP通信の取材に対し、「議員は給与に見合った仕事をし、来年の予算を速やかに成立させる必要がある」と語った。

報道によると、ソフィアの中心部には1000台以上の車が集まり、大渋滞を引き起こしたという。

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