◎EU最貧国であるブルガリアは政治的に行き詰まっているようにみえる。
2022年12月1日/ブルガリア、首都ソフィアの国会前(Valentina Petrova/AP通信)

ブルガリアの首都ソフィアで1日、投票用紙による投票を復活させる選挙法改正に抗議するデモが行われ、数百人が参加した。

前政権は法改正で紙投票を投票機に置き換えたが、10月の議会選で勝利した保守派はこれを覆し、以前のシステムに戻すことを決めた。

デモ隊はこの「後戻り」について、「ロシア寄りの保守派が紙投票で不正を働こうとしている」と主張している。

報道によると、国会前には機動隊が配備されたものの、デモは平和的に行われたという。

デモを主催したのはペトコフ(Kiril Petkov)前首相率いる改革派で、有権者に腐敗を阻止するために立ち上がるよう呼びかけた。

ペトコフ氏は声明で、「システムの腐敗を許すことはできない」と述べ、保守派を非難した。

選挙法改正案は先週、ボリソフ(Boyko Borissov)首相率いる中道右派のGERB、社会党、トルコ系住民を代表する政党の支持を得て可決された。

EU最貧国であるブルガリアは政治的に行き詰まっているようにみえる。国会の後戻りはインフレとエネルギーコストの上昇で経済的苦境に立たされている市民の怒りを煽り、混乱に拍車をかけた。

同国はこの1年半で4回目となる議会選を終えたものの、ボリソフ政権の連立交渉は失敗に終わり、厳しい政権運営を強いられることとなった。

多くの市民が行き詰まりにウンザリしており、10月の議会選の投票率は40%に届かなかった。

ボリソフ氏は2009~2021年初めまで首相を務めたものの、汚職、ロシアオリガルヒとのつながり、メディアへの圧力疑惑などが浮上。その後の激しいデモに屈し、退陣した。

報道によると、来年早々にもこの2年で5回目となる議会選が行われる可能性が高いという。

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