◎12月9日の英ーEU貿易協定交渉は合意に至らず。
◎ボリス・ジョンソン首相「貿易協定に関する交渉は合意なしに終了する可能性が高い」
2020年12月9日 AP通信/ベルギー、ブリュッセル、ボリス・ジョンソン首相と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長

12月10日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は、ブレグジット後のEUとの貿易協定に関する交渉は合意なしに終了する「可能性が高い」と述べた。

ジョンソン首相は声明で、「交渉は続くものの、企業と市民に結果に備える時が来たと言いたい」と語った。

イギリスとEUは交渉締め切り日を12月13日に設定し、窮地に立たされた貿易協定の進展に向け動き出した。

しかし、12月9日に開催された欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長との会談で突破口を開くことはできず、ジョンソン首相は、「カナダ型ではなく、オーストラリア型の貿易協定になる可能性が高い」と述べた。

EUはカナダと自由貿易協定(包括的経済・貿易協定)を結んでいるが、オーストラリアとは結んでいない。ジョンソン首相の言う通りになれば、世界貿易機関(WTO)のルールが適用され、貿易に高い関税がかかり、厳しい承認過程と税関検査が導入される。

ライエン委員長はEU各国の指導者に、ジョンソン首相との交渉が失敗に終わったことを報告した。

スウェーデンのステファン・ロベーン首相は報告を聞き、「憂鬱な気分になった」と述べた。

一方、EU議会議長のダヴィド・サッソリ氏は交渉について、「委員長は全ての問題を解決できるとは思っていなかった」と語った。

10日、EUは2021年1月1日以降の取引に備え、少なくとも半年間、両国間で可能な限りスムーズな貿易を保証する4つの緊急対策を提案した。

漁業権に関しては、「最大1年間、双方の水域にアクセスできることを保証する」と提案している。

イギリスは緊急対策に同意するかどうかについてまだコメントしていない。ジョンソン首相の報道官、ジェイミー・デイビス氏は記者団に、「提案を綿密に調査する」と述べた。

ドミニク・ラープ外相は13日の締め切りが「最終決定の瞬間」と述べたが、「断言することはできない」と補足した。

ルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相は交渉失敗について、「解決策が見つかることを望んでいる。しかし、足りない。私は悪い取引を好まない」と述べた。

2021年1月1日から変わること

・イギリス政府はEU市民に移民システムを適用する。

・旅行規則が変更されるため、双方の市民はパスポートをチェックしなければならない。

・健康保険と運転資格の見直しも必要。

・イギリスはEU予算の支払い義務から解放される。

・双方の企業は取引の際、より多くの事務処理に直面する。

英ーEU貿易協定が締結されなかった場合

高い関税がかかる。

・厳しい承認過程と税関検査が導入される。

双方の経済を傷つける。

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