◎ボスニアは1990年代の内戦後、「セルビア人共和国(スルプスカ共和国)」とイスラム教徒およびクロアチア人で構成される「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」の2つの国家内国家に分かれている。
2023年1月8日/セルビア人共和国(スルプスカ共和国)の名誉勲章(Radivoje Pavicic/AP通信)

セルビア系の国家内国家「セルビア人共和国(スルプスカ共和国)」政府は8日、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領に同国の最高位の勲章である名誉勲章を授与した。

国家元首のドディク(Milorad Dodik)氏は授賞式で、「プーチン大統領はスルプスカ共和国とロシアの友好関係の発展に尽力してきた」と語った。

ドディク氏は昨年9月にモスクワでプーチン氏と会談し、ウクライナ侵攻が進行中にもかかわらず、ロシアとの緊密な関係を維持している。

授賞式に出席した駐スルプスカ・ロシア大使は、「この勲章は次回の首脳会談で直接手渡される予定」と明らかにした。

また大使は、「ロシアはこの賞が両国の友情の強化を確認するものであると信じている」と語った。

西側諸国はロシアがセルビア、ボスニア、他のバルカン諸国を不安定にしようとしていると非難してきた。

ボスニアは1990年代の内戦後、スルプスカ共和国とイスラム教徒およびクロアチア人で構成される「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」の2つの国家内国家に分かれている。

ドディク氏はセルビア人が支配するスルプスカ共和国をボスニア・ヘルツェゴビナから完全に切り離し、隣国セルビアに編入したいと主張している。

1995年に終結した内戦の犠牲者は少なくとも10万人と推定され、数百万人が住まいを失った。和平協定は締結されたものの、3つの民族は今も分裂したままである。

ロシアはドディク氏の分離主義的な政策を黙認している。

ドディク氏はボスニアの憲法裁判所が違法と裁定した「スルプスカ共和国の日」を記念してプーチン氏を表彰した。

この日は1992年にボスニアのセルビア人がボスニアから独立すると宣言した日である。

ボスニア・ヘルツェゴビナは9日にサラエボで祝賀行事を行う予定だ。

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